取材に応じる中日韓三国協力事務局の李熙燮事務局長。(10月10日撮影、ソウル=新華社記者/姚琪琳)
【新華社ソウル10月30日】中日韓3カ国がつくる国際機関「中日韓三国協力事務局」の李熙燮(イ・ヒソプ)事務局長がこのほど、新華社の取材に応じた。世界が多重的な課題に直面する中、中日韓3カ国がアジア太平洋経済協力会議(APEC)の枠組みの下で革新と協力を強化し、アジア太平洋地域の新たな成長をけん引し、世界経済の回復を推進することに期待を示した。
李氏は、米国の高関税政策により貿易保護主義の流れが激化し、世界経済が直面する課題はかつてないほど厳しいと指摘。今回のAPEC非公式首脳会議では貿易の自由化と円滑化、多国間主義体制の革新、持続可能な貿易システムなどの議題をめぐり、より多くの建設的な提案が出されるとし、これらは加盟国・地域間の団結と協力の強化に寄与するとの認識を示した。
中日韓3カ国はAPEC枠組み下の多国間協力メカニズムの中で重要な役割を果たしているとし、3カ国は自由貿易体制の構築と世界経済の回復を共に推進すべきだと強調した。
3カ国は技術や資金、労働力の面で高い優位性を持ち、発展の潜在力は非常に大きいとも指摘。力を合わせて課題や危機に対処すべきだと述べた。
取材に応じる中日韓三国協力事務局の李熙燮事務局長。(10月10日撮影、ソウル=新華社記者/姚琪琳)
韓国は2025年、中国は26年にAPEC非公式首脳会議を開催する。李氏は、世界経済の回復を推進し、自由貿易と地域経済の統合を促進する重要な契機になるとし、中国は一貫して自由貿易、開放と包摂を基礎とする地域協力を積極的に進め、地域経済の統合を後押ししてきたと評価した。
李氏は中日韓三国協力事務局長として、これまで何度も中国を訪問している。中国の印象に話が及ぶと、中国はデジタル化やAI(人工知能)技術、グリーン(環境配慮型)産業、科学技術イノベーションの発展を重点的に推進し「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)を強力に発展させていると指摘。これらの取り組みは中国、さらには世界の持続可能な発展の原動力になるとの見方を示した。
「中国は多大な努力を払い、大きな発展を遂げた。変化は各地で目にすることができる。今後の発展に大きく期待している」。李氏は、中国が今後もアジア太平洋経済協力で重要な役割を果たし続けると確信していると語った。