13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫内で、「官」の字が刻まれた匣鉢の破片を手に取って見せる発掘隊のスタッフ。(銀川=新華社記者/李賀)
【新華社銀川10月28日】中国寧夏回族自治区の賀蘭山蘇峪口(そよくこう)にある蘇峪口磁器窯跡は、西夏時代(11~13世紀)の遺跡で、2017年の発掘調査で見つかった。21年から今年にかけて寧夏回族自治区文物考古研究所と復旦大学(上海市)が実施した体系的な発掘調査で、窯炉8基のほか、窯場周辺で同時期と思われる陶土や石炭、石英、石灰などの採掘坑跡を発見。中国の陶磁器考古学で初めての事例となった。
5年近くにわたる発掘調査で、精巧な白磁製品や各種窯道具が大量に出土した。出土品や地層を分析した結果、開窯は西夏初期、閉窯は同後期で、これまでに発見された西夏時代の磁器窯跡としては最古のものであることが分かった。
13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫で、新たに出土した磁器標本を調べる考古学者ら。(銀川=新華社記者/李賀)
発掘調査の執行リーダーを務めた寧夏回族自治区文物考古研究所の柴平平(さい・へいへい)副研究館員によると、白磁は胎質が白くきめ細かく、釉調は青みがかった白で、釉薬は均一に掛けられていた。出土品からは「官」の字が刻まれた匣鉢(こうばち、陶磁器焼成用の耐火容器)も見つかった。西夏陵や賀蘭山東麓の西夏離宮、寺院などの遺跡から出土した精巧な白磁をもとに総合的に判断すると、この磁器窯は西夏の宮廷磁器を焼成した場所であり、官窯の性質を備えていたと判断される。
蘇峪口磁窯跡に見られる独特の窯業技術と複雑な窯業の様相は、この窯が北方の伝統的技術を基礎としつつも景徳鎮や湖田窯など南方の先進的な技術と美意識を多く取り入れ、独自の窯業様式を生み出したことを示しており、両宋(北宋と南宋)期に民族・文化が往来し、交流し、融合した歴史的事実を如実に反映している。
13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫で、出土した磁器片を手に取って見せる発掘隊のスタッフ。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫に並ぶ大量の白磁器標本。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡の2025年度発掘区域で見つかった石英加工場跡を調査する考古学者ら。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫で、新たに出土した磁器標本を調べる考古学者ら。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫で、新たに出土した磁器標本を手に取る考古学者。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫で、新たに出土した磁器標本を調べる考古学者。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡の2024年度発掘区域で見つかった窯炉跡を調査する考古学者ら。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡の2021~23年度発掘区域。(ドローンから、銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫で、出土した白磁平瓦標本を手に取って見せる発掘隊のスタッフ。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡発掘調査隊の遺物収蔵庫で、視察に訪れた専門家に出土磁器の状況を説明する発掘調査隊執行リーダーの柴平平氏(左から2人目)。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡の全景。(ドローンから、銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡の2021~23年度発掘区域。(ドローンから、銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡2025年度発掘区域の工房跡前で、磁器の焼成技術について説明する発掘調査隊執行リーダーの柴平平氏。(銀川=新華社記者/李賀)
13日、蘇峪口磁器窯跡の2024~25年度発掘区域。(ドローンから、銀川=新華社記者/李賀)