
自社トラックを背に笑顔を見せる千葉原雄一さん。(杭州=新華社配信)
【新華社杭州10月23日】中国浙江省杭州市の物流サービス企業、東芝ロジスティクス杭州社の千葉原雄一総経理が初めて中国を訪れたのは、2004年3月のことだった。出張先の上海は「初めて来たのに、なぜか前にも来たことがあるような気がした」という。
第一印象で中国を気に入った千葉原さんは会社へ中国駐在を願い出た。実現したのは8年後の12年、上海勤務を経て杭州勤務となり中国駐在は14年目になる。子どもの頃から中国古代史に興味を持ち、最も好きな本は「三国志」。杭州に到着してすぐ、悠久の歴史を刻む文明都市に魅了された。
千葉原さんを特に驚かせたのが、北京と杭州を結ぶ歴史的運河「京杭大運河」だ。「物流業界では内陸水路で貨物を輸送する。われわれも重量貨物輸送の際には京杭大運河を利用している」。隋代に建設された運河が今なお機能していることに深い感慨を覚え、職場からは離れているが、運河のほとりを住まいに選んだ。

杭州のサッカーチームの仲間と記念写真に納まる千葉原雄一さん(前列左から3人目)。(杭州=新華社配信)
杭州の魅力は、豊かな歴史や美しい自然にとどまらない。IT大手のアリババ、人工知能(AI)のディープシーク、防犯カメラ大手のハイクビジョン。千葉原さんは同市に拠点を置く有名企業の名を次々と挙げ、テクノロジー分野でも将来性が大きく、都市全体に活力を感じると話す。
「国内企業だけでなく、われわれのような外資企業にとっても、より大きな舞台を目指すための良好なビジネス環境がある」。東芝ロジスティクス杭州社のある銭塘区には多くの貿易企業が集まっており、市政府は川上から川下までの企業が交流できる場を設け、互いに協力し共に利益を追求するチャンスを提供しているという。
長江デルタ地域(上海・江蘇・浙江・安徽1市3省)の便利で効率的な物流ネットワークや対外開放の拡大により、多くの企業が海外進出を加速させている。千葉原さんはこうした動きも同社にとって新たなチャンスとなっており、「われわれの強みである全体最適物流の経験とスキルを存分に生かせる」と今後の発展に自信を示した。
千葉原さんの流ちょうな中国語は「妻の『指導』のおかげ」と笑う。仕事を通じて広東省出身の女性と出会い、結婚した。家族4人で杭州に暮らし、伝統と最先端が交錯する街の日々を楽しんでいる。休日には運河沿いを散歩し、その風景を交流サイト(SNS)で発信するのが日課だという。(記者/商意盈、黄筱、鄭可意)