世界遺産「西夏陵」 中華文明の多元一体を物語る歴史の証し

世界遺産「西夏陵」 中華文明の多元一体を物語る歴史の証し

新華社 | 2025-10-21 11:29:31

西夏陵3号陵を見学する観光客。(10月2日撮影、銀川=新華社記者/馮開華)

 【新華社銀川10月21日】中国寧夏回族自治区銀川市に位置する賀蘭山脈扇状地のゴビ灘(乾燥地帯)に、西夏時代の王墓群「西夏陵」がある。今年7月11日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産リストに登録されて以来、西夏陵とその背後にある奥深い歴史について学ぶため、全国各地から多くの観光客が訪れている。

 銀川西夏陵文化旅游開発の馬瑞祺(ば・ずいき)部長によると、7月12日から8月31日までの間に同景区を訪れた観光客数は、前年同期比59・2%増加した。馬氏は、「西夏陵は、中華文明の多元一体構造の重要な歴史の証しであり、歴史や考古学の愛好者にとって非常に大きな魅力を持っている」と語った。

西夏陵3号陵を見学する観光客。(10月4日撮影、銀川=新華社記者/艾福梅)

 西夏はタングート族によって1038年に樹立された多民族政権であり、最盛期には統治下の人口が300万人を超えた。タングート、漢、吐蕃(とばん)、回鶻(かいこつ)、契丹など異なる民族が同地で共に暮らし、幅広く混住する状態となったことで、文化の交流と相互的な影響が促進された。

 西夏学の専門家、寧夏大学民族・歴史学院の杜建録(と・けんろく)院長によると、西夏陵はその選定場所や空間配置、建築技術に加え、陵墓の制度や建築、喪葬の習慣に至るまで、西夏文明が中華文明の一部として発展してきたことを如実に物語っており、中華文明の多元一体構造を証明しているという。

西夏陵3号陵を見学する観光客。(9月23日撮影、銀川=新華社記者/艾福梅)

 中国建築設計研究院建築歴史研究所の陳同浜(ちん・どうひん)名誉所長は、「異なる民族・文化が交流と衝突をする中で革新が生まれ、最終的に開放的で包容力のある中華文明を形成した。これはまさに中華民族が連綿と受け継いできた根本的なメカニズムであり、西夏陵はその典型的な例だ」と語った。(記者/艾福梅、呉天麟)

寧夏博物館に展示されている鎏金銅牛(りゅうきんどうぎゅう)。(2024年10月23日撮影、銀川=新華社記者/艾福梅)

西夏陵博物館で鴟吻(しふん=棟両端の装飾瓦)を鑑賞する観光客。(2024年10月22日撮影、銀川=新華社記者/艾福梅)

西夏陵博物館に展示されている、西夏文字と漢文が書かれた石碑のかけら。(9月23日撮影、銀川=新華社記者/艾福梅)

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