北京の故宮の一角。(9月29日撮影、北京=新華社記者/徐嘉懿)
【新華社北京10月18日】中国各地で、地域の特色を生かした新しい観光スタイルが広がっている。貴州省では、農村の草の根スポーツ大会「村超」や「村BA」が地域を代表する一大イベントに成長。江西省南昌市の名勝、滕王閣(とうおうかく)では、唐代の名文「滕王閣序」の「朗唱チャレンジ」がブームとなっている。北京の故宮博物院では、精巧で実用的なミュージアムグッズが観光客の目を引いている。
文化と観光の深い融合の推進は、第14次5カ年規画(2021~25年)期間の文化・観光発展の重要な柱であり、文化強国建設の着実な歩みを映す生き生きとした縮図でもある。
甘粛省敦煌市の莫高窟(ばっこうくつ)。(9月29日撮影、敦煌=新華社配信/張暁亮)
5年間の取り組みを経て、全国で新たに約2600カ所のA級景区(国家格付け観光地)が認定された。文化センターなどの公共文化施設は約4万4千カ所に達し、既存施設を活用した新たなタイプの公共文化空間も4万カ所を超える。博物館の来館者数は記録更新を重ね、24年には全国で延べ14億9千万人に上った。
旅の目的も変化し、山や水、風景を見るだけにとどまらず、生活の美を味わい、風土や風習に触れ、歴史や文化を感じ取る体験へと広がっている。自然と文化の交わる旅が、人々の精神生活に新たな彩りを与えている。
6日、江蘇省蘇州市呉江区の同里古鎮。(ドローンから、蘇州=新華社配信/周社根)
中国各地では、文化的な深みと地域色に富む没入型体験コンテンツや商業・文化エリア、リゾート地などが次々に登場し、新たな消費トレンドをけん引している。統計によると、24年には文化・観光関連の公益イベントが全国で21万件開催され、1400億元(1元=約21円)以上の消費を喚起した。
文化と観光の融合は消費へのけん引力をますます高め、公演やイベントに関連する「公演経済」や夜間経済(ナイトタイムエコノミー)などが消費の場面を効果的に拡大した。豊かな文化・観光コンテンツの供給が多様化する人々の消費ニーズを満たし、地域の活力を支えている。