中国・成都の女性起業家、震災ボランティアから地域の共創へ

中国・成都の女性起業家、震災ボランティアから地域の共創へ

新華社 | 2025-10-15 19:44:45

茶葉の国際博覧会で、宋代の点茶技法を紹介する王小琴さん(左から2人目)。(9月4日撮影、成都=新華社配信)

 【新華社成都10月15日】秋の深まる中国四川省都江堰市の山あいで、茶畑の手入れが進む。茶渓谷家庭農場の責任者、王小琴(おう・しょうきん)さんは仲間の茶農家と共に、来年の収穫に向けて枝を整え、草を取り、土を耕していた。

 王さんは成都で女性の起業を象徴する存在の一人だ。2008年の四川大地震(汶川地震)の際、ボランティアとして都江堰を訪れ、被災地の支援活動に参加した。「農家が育てたキウイや茶葉が収穫されないまま放置されているのを見て、胸が痛んだ」と王さん。地元の産品を売るため、上海に出向いて販路を探した。「成都の農産品は人気があった。そこで村に残って一緒に復興を目指そうと決めた」と振り返る。

13日、創業を目指す農村の若者が集まったイベントで、自らの経験を語る王小琴さん。(成都=新華社配信)

 都江堰は古くからの茶の産地でもある。王さんは山間部の向峨エリアに茶渓谷農場を立ち上げ、地元農家と共に荒れ地を開墾し、茶の栽培を開始。その後は生産にとどまらず、観光と結び付けて産業の幅を広げた。豊かな自然景観と伝統的な集落を生かし、茶葉栽培・体験型農業・文化展示を一体化したレジャー農業と農村観光の拠点へと発展させた。

 「茶渓谷は1200ムー(80ヘクタール)以上の敷地があり、1ムー(約667平方メートル)当たりの年間平均収穫量は約25キロに上る。毎年15万人以上の観光客が訪れ、村の飲食・宿泊産業の発展をけん引し、地元住民の生活を実質的に改善している」と王さんは語る。現在、年間1千世帯を超える農家の収入増に寄与し、100人分以上の長期的で安定した雇用を創出している。

 成都市婦女連合会は近年、女性の就業・起業能力の向上を継続的に推進し、市内に24カ所の「巧手(ハンドメイド)工房」を設置。就業、訓練、起業、販売の四つの機能を備えたサポート体制を充実させ、より多くの女性が伝統的な手工芸技術を生かし、「指先の技」を「指先の経済」へとつなげる後押しをしている。(記者/董小紅)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。