天津衛故城東城壁遺跡文化財展示ホールの一角。(天津=新華社配信)
【新華社天津10月15日】中国天津市の地下鉄駅内に、ユニークな博物館「天津衛故城東城壁遺跡文化財展示ホール」がオープンした。発見された遺跡をそのまま展示し、都市建設と文化遺産保護を協調的に進める上での重要なモデルケースとなった。
地下鉄4号線東南角駅で作業にあたる天津軌道交通集団の職員。(天津=新華社配信)
博物館があるのは地下鉄4号線の東南角駅。2017年の駅建設工事で天津古城城壁の基礎遺構が出土した。天津市の軌道交通を建設、運営する天津軌道交通集団は、地下鉄建設と文化財保護の二つの課題に直面する中、文化財部門と連携して駅と遺跡の共存を図り、地下鉄駅内博物館という画期的な解決策を見いだした。
多くの人でにぎわう天津衛故城東城壁遺跡文化財展示ホール。(天津=新華社配信)
丹念な修復を経て公開された展示ホールに足を踏み入れると、約80メートルのスロープが「タイムトンネル」のように人々を数百年前へといざない、長さ約21メートル、高さ2・1メートルの城壁からは当時の土層の質感をはっきり見ることができた。施工技術エリアに展示された鋼構造のフレームやスプリング装置から保護工事の創意工夫が感じられ、展示を撮影する人の姿も多く見られた。(記者/劉惟真)