外国人患者を診察する綏芬河市人民医院の医師。(資料写真、ハルビン=新華社配信)
【新華社ハルビン10月14日】ロシアとの国境に位置する中国黒竜江省綏芬河(すいふんが)市では、中医薬(中国の伝統医薬)の国際サービスを強化している。
同省の中医薬健康観光(ヘルスツーリズム)拠点であり、省内で唯一「国家中医薬サービス輸出拠点」の認定を受けた綏芬河市人民医院は、国境地帯に位置する地理的優位性を生かし、国際市場に向けて中医薬の特色あるサービスを積極的に提供している。
2024年に同医院が受け入れた外国人患者数は1万人を突破した。今年も外国人の受診者数は9千人を超え、特に中医の鍼灸(しんきゅう)や推拿(すいな=マッサージ)、もぐさを使った灸、遺伝子検査などが人気を集めている。
記念写真を撮る綏芬河市人民医院の医師と外国人患者。(資料写真、ハルビン=新華社配信)
中国のロシア人向けビザ(査証)免除政策の実施により、国境を越えた人的往来が一層促進され、綏芬河口岸(通関地)をハブとして、ますます多くのロシア人患者が中医の診療を受けに、国境を越えている。ロシア人のレニヤさん(67)はカルテを手に同医院を再訪、鍼灸や推拿などの治療を受けた。同医院での受診は今年4回目となる。
レニヤさんは「2017年からほぼ毎年、頚椎(けいつい)と腰椎(ようつい)の不調を整えるために来ている」と話した。綏芬河では、彼女のように中医の診療を目的に訪れるロシア人観光客の姿が、日常の光景となっている。(記者/沈易瑾)