9日、吉林省四平市梨樹県の鳳凰山農機農民専門合作社で、収穫したばかりの大豆を乾燥させる韓鳳香さん。(四平=新華社記者/顔麟蘊)
【新華社長春10月14日】中国東北地域ではこのところ作物の収穫期を迎えている。国内有数の穀倉地帯である吉林省四平市梨樹県では、鳳凰山農機農民専業合作社(協同組合)の韓鳳香(かん・ほうこう)理事長が忙しい日々を送っている。村人と共に豊かさを目指す姿勢から、「巾幗(きんかく、女性を指す)新農人」や「黒土地帯の女傑」と呼ばれている。
「新農人」とは、専門的な知識に富み、農業技術をよく理解し、経営管理を得意とする新しいタイプの農業従事者を指す。韓さんは2010年、安定した職を辞して帰郷し、土地の集約化と科学的な耕作を掲げて合作社を設立した。
9日、吉林省四平市梨樹県の鳳凰山農機農民専門合作社で、ライブ配信を通じて農産物を紹介する韓鳳香さん。(四平=新華社記者/顔麟蘊)
当初の参加者は5人のみで、「女性に農業経営は無理だ」との声もあった。それでも韓さんは村人一人一人を訪ね、種子や肥料の供給から販売まで一貫したサービスを提供する計画を説明し、信頼を得て参加者を増やしていった。
現在、合作社は大型農機具76台(セット)を保有し、集約化した農地は約1万5千ムー(約千ヘクタール)に拡大。周辺9カ村の800戸余りで全工程の機械化を実現した。昨年の食糧生産量は1万トンを超え、1戸平均で1万元(1元=約21円)以上の増収を達成したという。
9日、畑で農家と秋の収穫状況について話し合う韓鳳香さん(左)。(四平=新華社記者/顔麟蘊)
23年には国家デジタル栽培業イノベーション応用拠点プロジェクトに採択され、「デジタル耕作」が発展計画に組み込まれた。設置された0・5平方メートルの気象観測ステーションが30項目超のデータをリアルタイムで収集し、スマート設備が土壌や環境を監視する。韓さんは携帯電話を手に「これが私たちの新しい農具」と話す。
合作社は農機操作、技術普及、電子商取引(EC)などに女性を積極的に登用し、地元の雇用を支えている。韓さんは「組合員の6割が女性で、皆が活気にあふれ、しっかりと土地を経営している」とし、「多くの農村女性が新時代の舞台で自分の価値を見いだせるようになった。まさに農村振興の先導者と言える」と語った。(記者/邵美琦、司暁帥、顔麟蘊)