2025中国国際ファッションウィーク(秋季)で、黎錦の衣装を着たモデルらと記念撮影する陳孟麗さん(左から7人目)。(9月撮影、北京=新華社配信)
【新華社海口10月13日】中国海南省で8月に開かれた第35回ミス・アジア・コンテストの世界決勝では、同省の少数民族リー族の伝統織物で、国家級無形文化財に指定される「黎錦(リージン)」を用いたファッションが披露された。
モデルたちが身にまとった現代風にデザインされた衣装は、黎錦の同省五指山市の代表的伝承者、陳孟麗(ちん・もうれい)さんが提供した。
黎錦は中国繊維史の「生きた化石」と呼ばれ、伝統的な紡績、染色、製織、刺しゅうの技術は3千年以上にわたり受け継がれてきた。昨年12月には「リー族の伝統的な織物技術:紡績、染色、製織、刺しゅう」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録された。
大学生に織錦を教える陳孟麗さん(中央)。(5月17日撮影、海口=新華社配信)
五指山市にはリー族やミャオ族などの少数民族が多く居住している。1992年生まれの陳さんは、地元生まれ、地元育ちのリー族女性として、幼い頃から黎錦に親しんできた。
大学時代に浙江省で繊維・織物工芸と貿易を専攻し、卒業時には故郷で織物に携わりたいと考えた。陳さんは取材に対し「すぐに黎錦が頭に浮かび、卒業後すぐに故郷に戻って起業した」と当時を振り返った。
職人から黎錦の技術を学ぶ陳孟麗さん(右)。(8月27日撮影、海口=新華社記者/陳子薇)
2014年に自身の工房「布黎布舎」を設立。起業に当たっては国家級技術伝承者に師事し、黎錦のトーテム文化と技術を学んだ。街中を巡って買い集めた黎錦の手工芸品をネットで販売し、まとまった資金も手に入れた。
その後は、オリジナル製品を携えて何度もコンテストに参加し、優秀な成績を収めた。これまでにデザインしたリー族の文化クリエーティブ製品は100種類、会社の年商は200万元(1元=約21円)をそれぞれ超え、50世帯以上の農家に仕事を発注することで、彼らの収入を向上させている。(記者/陳子薇)
撮影に応じる陳孟麗さん。(資料写真、海口=新華社配信)
職人から黎錦の技術を学ぶ陳孟麗さん(右)。(8月27日撮影、海口=新華社記者/陳子薇)
三亜国際ファッションウィークに出展する衣装の生地を選ぶ陳孟麗さん。(2021年撮影、海口=新華社配信)