9月28日、浦北県で生産された陳皮。(南寧=新華社記者/趙歓)
【新華社南寧10月12日】中国広西チワン族自治区欽州市浦北県では、国慶節と中秋節に伴う連休期間(1~8日)中、伝統と革新を融合させた「陳皮五仁叉焼月餅」がヒット商品となった。
浦北県は、中国における大紅柑(だいこうかん、かんきつ類の一種)とその皮を天日干しまたは乾燥させた陳皮の重要な生産地として知られる。陳皮を原材料の一つに取り入れた月餅は地元の産業チェーンの発展の縮図といえる。ここ数年の新たな製品開発と産業のアップグレードに伴い、同県の陳皮は農村振興をけん引する一大産業へと成長しつつある。
9月28日、青柑(未熟な青い果実)の皮をむく作業員。(南寧=新華社記者/趙歓)
浦北県竜門鎮林塘村の果物農家、竜家炎(りゅう・かえん)さんは「ここ数年は40ムー(約2・7ヘクタール)余り栽培していたが、今年はさらに30ムー(2ヘクタール)増やした」と紹介。現在は業界をリードする企業と栽培契約を結んだことで、農地の管理から収穫、トレーサビリティーまで統一された基準によって品質を保証するだけでなく収益も安定していると語った。同村共産党総支部の容家良(よう・かりょう)書記によると、村内500世帯のほとんどが大紅柑を栽培しており、陳皮産業のおかげで多くの家庭が家や車を手に入れ、暮らしがますます良くなっているという。
浦北県の陳皮産業パークでは、大紅柑の果実の価値が広がり続けている。地元の食品メーカー、広西中皮健康産業の展示ホールには、陳皮月餅や陳皮ピーナッツ、陳皮飲料などの製品がずらりと並ぶ。同社の彭瀟(ほう・しょう)董事長補佐は大紅柑について、全体が宝で捨てるところがないと強調。「陳皮を作るだけでなく、果汁飲料やスナック菓子も開発し、倉庫保管や金融、保険などの分野にも事業を広げた。『全チェーン開発』によって、大紅柑の経済的な潜在力を最大限に引き出している」と語った。
9月28日、陳皮月餅の完成品。(南寧=新華社記者/趙歓)
県では現在、地元政府の後押しで「栽培+(プラス)加工+倉庫保管+市場」の全チェーン発展モデルを形成しつつある。産業パークや公共倉庫プラットフォームが絶えず整備され、主導的な企業が加工や販売をけん引し、合作社(協同組合)と農家が積極的に参加することで、整った産業エコシステムが築かれた。県陳皮産業発展専門チームの黎世敏(れい・せびん)常務副主任によると、これまでに「浦北陳皮」「浦北青柑茶」など、育苗や栽培、加工、倉庫保管の全工程を網羅する県の地方規格12項目を作り、産業の質の向上を制度面で保障しているという。
陳皮産業の次のステップについて、県陳皮協会の陳能浩(ちん・のうこう)会長は「陳皮を食品や薬膳、化粧品などの分野にも展開させる」と強調。消費需要が絶えず拡大し、全産業チェーンの整備が徐々に進む中、「浦北陳皮」は地方経済の成長をけん引する新たな原動力になりつつあると語った。(記者/趙歓、林凡詩)
9月28日、浦北県産の陳皮で作られた匂い袋。(南寧=新華社記者/趙歓)
9月28日、陳皮月餅の完成品。(南寧=新華社記者/趙歓)
9月28日、浦北県で青柑(未熟な青い果実)の収穫期を迎えた大紅柑。(南寧=新華社記者/趙歓)
9月28日、浦北県にある陳皮スマート公共倉庫。(南寧=新華社記者/趙歓)
9月28日、青柑(未熟な青い果実)の皮。(南寧=新華社記者/趙歓)
9月28日、浦北県産の陳皮で味付けされた「陳皮ピーナッツ」。(南寧=新華社記者/趙歓)
9月28日、浦北県産のバラをかたどった陳皮製品。(南寧=新華社記者/趙歓)