13日、光に透かすと墨翠(ぼくすい)のように緑色の輪が浮かび上がる永子の黒石。(保山=新華社記者/荊昭延)
【新華社昆明10月9日】中国雲南省保山市は碁石の産地として知られる。特産の南紅瑪瑙(めのう)や黄竜玉、翡翠(ひすい)などの鉱石を溶かし、「ハンドドリップ」で作られる碁石は、かつての地名「永昌」にちなんで「永子」として親しまれている。
永子制作技術の国家級代表的伝承者である李国偉(り・こくい)さんによると、制作に当たっては、高温で溶融した鉱石を均等にかき混ぜ、道具を使って約6グラムずつすくって落とし、直径約22・5ミリの完全な円形を形作る。碁石の大きさや厚み、重みは手先の感覚だけが頼りで、職人の美的感覚と腕が試されるという。
雲南省保山市で行われた「永子杯」囲碁マスターズ大会の対局会場。(9月14日撮影、保山=新華社記者/荊昭延)
2021年には永子の制作技術が第5陣の国家級無形文化遺産に登録され、24年には「永子」が第3陣となる中華老字号(老舗ブランド)に選ばれた。制作技術を後世に伝えるため、李さんはこれまでに100人以上の弟子を取り、約400人に技術指導を行ってきた。すでに弟子2人が市級無形文化遺産代表的伝承者に認定されている。(記者/荊昭延)
13日、雲南省保山市の永子文化園で、碁石を「ハンドドリップ」する職人。(保山=新華社記者/荊昭延)