3日、ウランハダ火山で宇宙服を着て写真撮影する観光客。(フフホト=新華社記者/哈麗娜)
【新華社フフホト10月9日】中国内モンゴル自治区ウランチャブ市チャハル右翼後旗の烏蘭哈達(ウランハダ)火山群は国慶節と中秋節が重なった連休(1~8日)中、前売り券が何度も完売し、入場制限が必要になる盛況ぶりを見せた。同火山群は北京からわずか380キロの場所に位置し、同自治区で最も人気の観光地の一つとなっている。
約260平方キロのエリアには30以上のさまざまな形状をした火山が分布している。火山群は主に4~6万年前に形成され、一部の火山は2千年前に噴火した記録があり、同自治区南縁で唯一、完新世に噴火した火山群となっている。うち5号火山は保存状態が最も良く、火山円すい丘基部の直径が約780メートル、高さ約85メートルで、「鍋状」の火口内には珍しい火口円すい丘が形成されており、溶岩流によってできた溶岩原の雄大で壮観な景色が見られる。さらに独特なのは、アイスランド式(割れ目)噴火と中心噴火の両方の跡が残されており、地質学者から「天然の火山博物館」と呼ばれている。
ウランハダ火山周辺の民宿。(資料写真、フフホト=新華社配信)
交通の整備とSNSでの拡散が人気加速の重要な力になった。2019年末に北京とフフホトを結ぶ高速鉄道が開通し、ウランチャブは京津冀地域(北京・天津・河北2市1省)から3時間交通圏となり、火山草原は「週末に訪れる行楽地」になった。「宇宙服で記念撮影」「火山音楽祭」など特色ある体験がショート動画プラットフォームを通じて急速に広まり、風景区の魅力をさらに高めた。
観光ブームは、住民生活の向上と産業の高度化をけん引している。現在、チャハル右翼後旗には民宿が130軒余り建設され、21村の集団経済に212万元(1元=約21円)の増収をもたらしており、農牧民の平均収入は年間1万2千元以上に達する。25年初めには、74度の温泉も発見され、地元では「火山と温泉」の新たな療養業態を構築し、風景区に持続的な活力を注入する計画にしている。(記者/哈麗娜)
ウランハダ火山群の火山。(資料写真、フフホト=新華社配信)
ウランハダ火山群の火山。(資料写真、フフホト=新華社配信)