第27回中国アイスクリーム・冷凍食品産業博覧会でエチオピアの業者と商談を行う出展者。(9月24日撮影、天津=新華社記者/孫凡越)
【新華社天津10月4日】中国のアイスクリームはこの数十年で、牛乳や果物、穀物などを主な原料とした冷たい飲み物から、品種が豊富で、イノベーションが活発で、多彩な原料を用いるおやつへと発展した。中国の市場調査会社、艾媒諮詢(iiメディアリサーチ)のデータによると、中国のアイスクリーム市場規模は2024年に1835億元(1元=約21円)に上り、30年には2334億元になる見通し。
アイスクリーム市場ではここ数年、中国伝統文化の要素を取り入れた「国潮」ブームが巻き起こっている。国潮製品は海外の消費者にも好まれており、清涼飲料・アイスクリームメーカーの瀋陽徳氏企業集団は瀋陽故宮博物院(遼寧省瀋陽市)をモチーフとしたアイスクリーム数種を米国市場に輸出している。
中国の巨大なアイスクリーム市場は海外の有名ブランドを数多く引き付け、現時点でウォールズ(英国)、ネスレ(スイス)、ハーゲンダッツ(米国)、マース(米国)、明治(日本)などの外資系ブランドが中国市場に進出している。世界の食品原料サプライヤーにも重要なビジネスチャンスをもたらし、産業チェーンの国際協力と共同利益の実現を推進している。
第27回中国アイスクリーム・冷凍食品産業博覧会に展示されたさまざまなアイスクリームの型。(9月24日撮影、天津=新華社記者/孫凡越)
中国のアイスクリームメーカーは東南アジアのカカオ、インドとパキスタンのグアーガム、インドネシア、チリ、スペイン、イタリア、ポルトガルなどのローカストビーンガム、ニュージーランドとオーストラリアの粉乳など世界各地から良質な原料を幅広く採用している。税関のデータによると、24年の中国のカカオ輸入額は前年比29・3%増の13億3600万ドル(1ドル=約147円)に上った。
赤道直下に位置するインドネシアは高温多湿の熱帯性気候で、冷たい飲み物や甘い食べ物への需要が高く、アイスクリーム市場の成長余地が大きい。多くのアイスクラームブランドの中でも、中国のブランドが現地で人気を博している。中国乳製品大手の内蒙古伊利実業集団(伊利集団)はインドネシア、タイなどに工場を建設しているほか、乳製品大手の中国蒙牛乳業傘下のアイスクリームブランド「艾雪(Aice)」は東南アジアに4カ所の工場を構え、アイスクリームの1日当たり生産量は約1千万個に上る。
多くの発展途上国でアイスクリーム市場が急速な拡張期に入り、新工場の建設、生産能力の拡大、コールドチェーンの構築がアイスクリーム関連設備に対する力強い需要をけん引している。
産業調査会社の深圳市中研普華産業研究院がまとめたリポートによると、中国のアイスクリーム設備の東南市場でのシェアは40・0%に上昇した。