中国・瀋佳高速鉄道の瀋白区間開業、長白山が北京の「半日経済圏」に

中国・瀋佳高速鉄道の瀋白区間開業、長白山が北京の「半日経済圏」に

新華社 | 2025-09-29 14:59:01

28日、G8166号列車の車内で、一番列車の記念冊子を見せる乗務員。(長春=新華社記者/張楠)

 【新華社瀋陽9月29日】中国遼寧省瀋陽市と黒竜江省佳木斯(ジャムス)市を結ぶ瀋佳高速鉄道の瀋白(瀋陽市-吉林省延辺朝鮮族自治州安図県二道白河鎮)区間が28日に開業し、両方向の一番列車がそれぞれ遼寧省の撫順駅と吉林省の長白山駅から出発した。同区間は全長430キロ、設計時速350キロで、開業により北京から長白山までの所要時間が4時間33分に、瀋陽から長白山までは1時間53分に短縮され、長白山が北京の「半日経済圏」に組み込まれた。海外からの観光客は「朝に北京まで飛行機で移動して高速鉄道に乗り換え、昼には長白山に到着してスキーを楽しむ」といった越境観光が可能となる。

 世界の観光客に人気がある東北地域の氷雪観光を念頭に、同区間では設計の至る所に細やかな配慮が見られる。スキーやスノーボードの用具を持った旅客の出入りがしやすいよう各車両の座席間隔を5センチ広げた。また、スマート温度制御システムをさらに改良して冬と春の室内外の寒暖差による不快感を緩和した。さらに、沿線の駅には文化観光サービス窓口を設け、長白山風景区の入場予約や国道G331号線を利用した国境沿いのドライブ旅行のプランニングをワンストップで提供している。

 同区間は、国道G331号線沿いの国境の景観と組み合わせて「高速鉄道で素早く到着し、ドライブでゆっくり観光する」という特色ある観光コースを設定できる。長白山から琿春(こんしゅん)まで高速鉄道で移動し、そこからドライブに切り替えれば、中国・ロシア・朝鮮3カ国が交わる国境ゲートを訪れ、さらにロシアのウラジオストクにも足を延ばせる。このような越境観光の組み合わせはすでに東京やソウルの観光客に注目され、予約ブームを引き起こしている。

28日、撫順駅の待合ホール。(長春=新華社記者/潘昱竜)

 北東アジアにおける経済・貿易の機会に関心を持つ海外の投資家にとっては、同区間の「懸け橋としての価値」がさらに際立つ。西側で中国の全国高速鉄道網に接続し、東側で中ロ、中朝の国境ゲートとつながることで、「中国内地-中国東北部-北東アジア」の物流ルートが形成された。吉林省白山市の良質なミネラルウオーターや同省通化市の医薬品は、高速鉄道を利用して京津冀(北京・天津・河北2市1省)地域、さらには日韓両国市場まで迅速に輸送できる。逆に、北東アジアの特産品も同ルートを経由して中国内陸部にまで届く。さらに、長春-琿春間を結ぶ高速鉄道「長琿都市間鉄道」とのシナジー効果も期待できる。同鉄道は開通から10年で延べ2億3千万人を輸送し、同省延辺市の観光収入の年平均50%近い成長に貢献してきたほか、琿春の海産物をコールドチェーンで内陸部へ直送するなど、高速鉄道による地域経済活性化の効果を証明してきた。

 吉林省交通運輸庁の李平(り・へい)庁長は、瀋佳高速鉄道の瀋白区間は単なる交通路線に留まらない「北東アジア協力の重要な支点」であり、越境観光や商業・貿易の往来に効率的な選択肢をもたらすとの見方を示した。(記者/金津秀、丁非白)

28日、長白山駅でとG8166号列車に乗り込む旅客。(長春=新華社記者/張楠)

28日、長白山駅に入線する、長白山発瀋陽北行きのG8166号列車。(長春=新華社記者/張楠)

28日、長白山駅。(ドローンから、長春=新華社記者/張楠)

28日、撫順駅を出発する長白山行きのG8167号列車。(長春=新華社記者/潘昱竜)

28日、撫順駅の南口。(長春=新華社記者/潘昱竜)

28日、撫順駅のホームで記念撮影をする乗客。(長春=新華社記者/潘昱竜)

28日、撫順駅のホームで乗客を案内する係員。(長春=新華社記者/潘昱竜)

28日、撫順駅のホームに立つ乗客。(長春=新華社記者/潘昱竜)

28日、G8166号列車の車内で設備を点検する乗務員。(長春=新華社記者/張楠)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。