18日、第22回中国ASEAN博覧会で紹介された、付き添い機能を持つロボット。(南寧=新華社記者/趙歓)
【新華社南寧9月27日】中国で人工知能(AI)の応用が加速している。このほど広西チワン族自治区南寧市で開かれた「第22回中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)博覧会」では、AIに特化した展示エリアが初めて設けられ、多様なAI技術が披露された。研究室の成果が日常生活や産業の場面に浸透しつつある姿を示した。
会場では、ロボットが来場者の注文に応じてコーヒーを入れる実演が人気を集めた。スマートフォンで商品を選ぶと、1分足らずでカプチーノが完成。来場者からは「まさかロボットにコーヒーを入れてもらえるとは思わなかった。反応が速いし面白い」と語った。
19日、第22回中国ASEAN博覧会のAI館に設置されたロボットによるコーヒーコーナー。(南寧=新華社記者/趙歓)
深圳感音科技は、空中でスティックを振るだけで演奏できる「エアドラム」を展示。航空宇宙分野の測位アルゴリズムを応用し、叩いた位置を精密に検知して音を再現する仕組みだ。担当者は「ポケットに入れて持ち歩けるドラムセット」とアピールした。
翻訳や国際交流を支える技術も紹介された。科大訊飛(アイフライテック)は、多言語対応の透明スクリーンや携帯型翻訳機を出展。旅行や海外ビジネスでの円滑な会話を想定している。来場者からは「国慶節にタイ旅行に行く。こういう製品があれば言葉の心配をしなくていい」との声が上がった。
19日、第22回中国ASEAN博覧会でスマートグラスを体験する来場者。(南寧=新華社記者/趙歓)
福祉分野では、視覚障害者向けのスマートグラスが登場。カメラが捉えた映像を音声に転換し、環境情報の把握を助ける。近視や老眼の補助にも応用でき、銀行業務などでの利用も進む。さらに介護施設や家庭向けの見守り型ロボットも紹介され、シニアでも使いやすい操作の簡便さや自然な対話性能が強調された。
展示関係者は、AIは特定の世代や分野にとどまらず、日常のさまざまな場面に浸透しつつあるとし、企業は将来のAI開発において、より幅広い年齢層と多様な利用スタイルを想定する必要があると述べた。(記者/趙歓)
18日、第22回中国ASEAN博覧会に展示された、付き添い機能を持つスマートロボット犬。(南寧=新華社記者/趙歓)
19日、第22回中国ASEAN博覧会で、エアドラムを体験する来場者。(南寧=新華社記者/趙歓)
19日、第22回中国ASEAN博覧会で、対話型デジタルヒューマンについて質問する来場者。(南寧=新華社記者/趙歓)
19日、第22回中国ASEAN博覧会で、スマート翻訳製品の情報を入手する来場者。(南寧=新華社記者/趙歓)
19日、第22回中国ASEAN博覧会のAI館に展示されたロボット。(南寧=新華社記者/趙歓)
19日、第22回中国ASEAN博覧会のAI館で紹介されたロボット。(南寧=新華社記者/趙歓)