中国重慶のオートバイ産業、輸出と電動化で躍進

中国重慶のオートバイ産業、輸出と電動化で躍進

新華社 | 2025-09-23 21:14:17

 【新華社重慶9月23日】中国西部の重慶は、坂道や石段が縦横に走る地形を背景にオートバイ文化が根付き、全国最大のオートバイ産業を築いてきた。現在は輸出される3台のうち1台がここで生産され、産業の高度化が進む中で新たな活力を生み出している。今年1~6月の生産台数は362万台に達し、市の工業生産額の伸びに対する寄与率は3割を超え、地域経済をけん引している。

 産業転換を支える大きな推進力の一つが、消費需要の変化だ。「これまでオートバイは移動のための道具という性質が強かった。若者の経済条件が改善する中でオートバイ文化が盛り上がり、娯楽性や個性を求める需要が強まっている」。オートバイメーカーの重慶宗申機車の闕宇明(けつ・うめい)技術開発副総経理は、こうした傾向が業界発展の必然だと指摘する。

 業界団体のデータもこの見方を裏付けている。中国摩托車商会によると、今年1~6月、排気量250cc以上のレジャー用オートバイの生産台数は51万500台、販売台数は50万2千台と、前年同期比でいずれも40%以上の伸びを示し、業界で最も成長率の高いセグメントとなった。

 技術革新による製品競争力の向上も、産業転換の揺るぎない基盤となっている。メーカー各社は新エネルギー車の発展経験を参考に、物流や組立、検査などにスマート設備を導入し、デジタル技術による精密な品質管理を実現。今後はより多くの工程で無人化設備の導入が進む見通しだ。大手各社の売上高研究開発費比率は2021年の2・1%から24年には5・7%に上昇し、世界の一流ブランドに迫りつつある。

 電動化で先行した重慶のオートバイ産業は、世界をリードする潜在力を持つ。業界専門家は「中国は電動化分野で世界最先端にあり、産業チェーンが整っているだけでなく、コストパフォーマンスの高い製品を生み出すことができる」と指摘。重慶の電動オートバイの産業集積が進み、生産量も高い伸びを維持しており、国際展開の絶好の機会を迎えているとした。

 効率的な物流網も、重慶のオートバイ輸出を支えている。市内の道路物流拠点から出発する越境トラック便は、最短48時間で東南アジア市場に到着する。中国西部と東南アジアを結ぶ陸海複合一貫輸送ルート「西部陸海新ルート」は、重慶からベトナム北部ハイフォン港までの輸送時間を大幅に短縮、物流コストを削減した。

 重慶市経済・情報化委員会の統計によると、1~6月の市全体のオートバイ輸出台数は前年同期比41・2%増の310万5千台、輸出額は48・4%増の133億6100万元(1元=約21円)に上った。(記者/沙青、彭博)

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