中国・重慶市のロボット産業チェーン生産額、24年は370億元超す

中国・重慶市のロボット産業チェーン生産額、24年は370億元超す

新華社 | 2025-09-22 09:54:00

重慶市両江新区のロボットメーカー、七騰機器人の工場で試験を受ける防爆仕様の車輪式ロボット。(5月27日撮影、重慶=新華社記者/王全超)

 【新華社重慶9月22日】中国重慶市には現時点で重慶華数機器人や七騰機器人、川崎(重慶)機器人工程、重慶発那科機器人などロボット業界の重点企業が300社以上ある。中国科学院重慶グリーン・インテリジェント技術研究院や国家ロボット検査・評価センター(重慶)など30以上のハイレベルな研究開発プラットフォームも結集し、研究開発から完成品生産、標準の研究・制定、検査・測定、統合・応用、重要部品、人材育成、利用場面に応じたサービスに至るまで、産業チェーン全体を網羅するロボット産業生態系を構築している。24年の同市のロボット生産台数は6万台を超え、産業チェーン全体の生産額は370億元(1元=約21円)を上回った。同市でこのほど開かれた第4回ロボット標準化・重要技術セミナーで明らかになった。

 同市はここ数年、ロボット産業を重視し、一連の支援策を打ち出している。政策整備の面では、「重慶市『ロボット+(プラス)』応用行動計画(2024~27年)」や「重慶市のエンボディド人工知能(AI)ロボット産業のイノベーション発展を支援する若干の政策措置」など一連の文書を発表し、全体構想に基づいて細部を具体化する形でロボット産業のスマート化発展を支援している。

重慶市両江新区のロボットメーカー、七騰機器人の工場で防爆仕様の車輪式ロボットを調整する技術者。(5月27日撮影、重慶=新華社記者/王全超)

 標準制定の面では、ロボットの国家標準の研究・制定に積極的に関与し、中核技術に関する指標とテスト手法の標準化を推進し、標準によって産業の規範的な発展と質向上をけん引している。

 技術開発の面では、重要な中核技術の開発を通じ、多くの企業が高性能な制御や環境適応などのボトルネックを解消し、製品のハイエンド化への土台を築いている。

 製品の研究・開発の面では、重慶華数機器人と七騰機器人が独自に生産した高速・高精度産業ロボットと耐熱性、防爆性を備える消防ロボットなどの製品が国の1台(セット)目の重要技術設備保険料助成事業の対象となったほか、多くの製品が市の1台(セット)目重要技術設備に認定され、製品の競争力が大幅に向上した。

 応用シーンの面では、オープンリソースコミュニティー、利用場面のオープン化、技術開発ら3分野で12件のエンボディドAIロボットプロジェクトリストを発表。市の「ロボット+」の典型的応用シーンを32例作成し、ロボットの多くの業界での大規模な普及と深い融合を推進している。

重慶市両江新区のロボットメーカー、重慶華数機器人の展示ホールで産業用ロボットを調整する技術者。(5月15日撮影、重慶=新華社記者/王全超)

 工業情報化部装備工業一司の郭守剛(かく・しゅごう)副司長・一級巡視員によると、25年上半期(1~6月)の中国ロボット産業の売上高は前年同期比27・8%増加した。産業ロボットの生産量は35・6%増、サービスロボットは25・5%増え、12年連続で世界最大の産業ロボット応用市場になった。

 中国は現時点でロボット分野の「専精特新(専業化、精細化、特色化、斬新化)」の特徴を備える小巨人企業(大きな成長が見込まれるスタートアップ企業)を500社以上有する。自主ブランドの産業用ロボットの国内市場シェアは58・5%に上り、有効なロボット関連特許の保有件数は19万件を超え、世界の約3分の2を占める。AI研究者数は5万2千人を数え、世界第2位のAI人材集積地となっている。産業用ロボットの応用分野は国民経済大分類の71業界、中分類の241業界に広がり、スマート製造のコアエンジンとなっている。

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