考古学調査スタッフが青海省瑪多県の扎陵湖畔で現場調査をした際に撮影した尕日塘秦刻石。(2023年7月撮影、瑪多=新華社配信)
【新華社北京9月15日】中国国家文物局は15日、青海省ゴロク・チベット族自治州瑪多(ばた)県卓譲村の扎陵湖北岸で発見された石刻が秦代のものと確認され、「尕日塘秦刻石」と命名したと発表した。同局の手配で中国文化遺産研究院と青海省文物考古研究院が特別チームを設け、石質文化財保護、秦漢考古、古文字学、書道篆刻などの分野の専門家を動員して集中的に調査研究に当たった。
15日、国家文物局が北京で開いた記者会見。(北京=新華社記者/李賀)
同刻石は第4回全国文物全面調査の重要な成果で、扎陵湖と共に文化的景観を形成している。保存状態は良好で、刻まれた文字の多くが判読可能だという。年月日がそろって記されているが文献には記載がなく、中国で確認されている中では唯一の現地に現存する秦代刻石で、かつ最も高地に位置する。黄河源に立つこの刻石は、歴史の空白を補う存在として歴史的、芸術的、科学的に重要な価値があるとされる。