
11日、2025年中国国際サービス貿易交易会の北京同仁堂ブースを訪れた人たち。(北京=新華社記者/呉寒氷)
【新華社北京9月14日】中国北京市で10日から5日間開かれた「2025年中国国際サービス貿易交易会」は、最先端技術やデジタルサービスの展示に加え、伝統文化のイノベーションにも焦点を当てた。中国の伝統医薬「中医薬」もさまざまな製品や関連商品が出展され、多くの来場者が足を止めて体験していた。
健康衛生サービス展示エリアでは、多くの中医学専門病院や中医薬企業が製品を展示。各種中薬材料の展示のほか、中草薬(生薬)を原料とした飲料やナシを使った「梨膏糖(りこうとう)」など健康志向のおやつが並んだ。

11日、2025年中国国際サービス貿易交易会で、中薬材の説明を聞く人たち。(北京=新華社記者/呉寒氷)
北京市の老舗製薬企業、北京同仁堂は新たに開発した飲料を複数展示した。担当者によると、会場での試飲で得られた反応に基づき配合をさらに工夫し、今後の市場投入に備えるという。中国中医科学院西苑医院のブースでは、アオギリ科植物の種子「ハンダイカイ」と雪梨を配合した「胖大海雪梨茶」や生薬の「オウゴン」とリンゴを配合した「苹果黄芩水」など、秋冬の飲用に適した飲料の試飲が人気を集め、「口当たりが良く健康効果もある」との声が聞かれた。
食品や飲料のほか、中医薬の要素を取り入れた雑貨や化粧品も人気を集めた。生薬を配合した香り袋やネックピロー(首に巻いて使う枕)などは、自然な香りを身につけることができるだけでなく、自宅の装飾にも使えることから好評を得ていた。

9日、2025年中国国際サービス貿易交易会の北京同仁堂ブースに展示された中医薬配合の飲料。(北京=新華社記者/邱虹)
会場では各国のバイヤーも中医薬製品に強い関心を示し、積極的に体験し、商談や購入をしていた。ある中医薬展示ブースでは、外国人の来場者が身振り手振り、翻訳ソフトを使って中医薬の文化を理解しようとする姿も見られ、複数の出展者も、外国人は製品だけでなく、中医薬文化そのものに好奇心を持っていると話した。
業界関係者は、中医薬産業はここ数年、「創造的転換、革新的発展」の方針の下で現代の消費トレンドとの融合を模索し続けていると指摘。飲料から雑貨、健康理念からライフスタイルまで、中医薬はより親しみやすく、より洗練された姿で人々の日常に溶け込んでいるとの見方を示した。
出展したある製薬企業の担当者は「若者層は健康や体調管理を重視しつつ、自分らしさや情緒的価値も大事にしている。中医薬の製品もパッケージの工夫や異業種とのコラボを通じて若い世代との距離を縮め、新たな活力を生み出している」と語った。(記者/呉寒氷、邱虹)

10日、2025年中国国際サービス貿易交易会で、中医薬製品を見る外国人。(北京=新華社配信)

11日、2025年中国国際サービス貿易交易会で、中医薬ブレスレット作りを体験する人たち。(北京=新華社記者/呉寒氷)