安徽省太湖県、機能性フィルムで急成長 「中国膜都」に照準

安徽省太湖県、機能性フィルムで急成長 「中国膜都」に照準

新華社 | 2025-09-09 10:28:01

太湖金張科技の生産ラインで働く従業員。(2024年9月10日撮影、安慶=新華社配信)

 【新華社安慶9月9日】中国安徽省南西部にある太湖県が、スマートフォンの保護フィルムをはじめとする機能性フィルム産業の国内有数の拠点に成長している。

 ここ十数年で機能性フィルム新素材の産業クラスターが急速に形成され、2024年の生産額は前年比14・7%増の45億2900万元(1元=約21円)に達した。今年は年産4500万平方メートルの保護フィルム工場や年産300トンのポリイミドフィルム工場などの契約が相次ぎ、総投資額は約50億元に上る。

 太湖金張科技は、県内で最初に機能性フィルム生産を始めたメーカーの一つだ。液晶ディスプレーに欠かせない偏光板向けの離型フィルム工場では、日本製の2700ミリの幅広生産ラインを導入。ロボットと無人搬送車(AGV)が連動し、毎分最大260メートルのペースで生産が進む。

太湖金張科技の工場のクリーンルーム。(2024年9月10日撮影、安慶=新華社配信)

 呉伝耀(ご・でんよう)総経理助理によると、09年の進出以降、日本や韓国との技術提携を通じて事業を拡大。基本的な保護フィルムから、ディスプレー表面用の機能性フィルムや内部用光学フィルムへと品ぞろえを広げ、ブルーライトカットなどの先端製品の開発にも取り組んでいる。

 太湖金張科技の成長に伴い、川上と川下の企業も集積し、現在では太湖県内に103社が拠点を構え、うち年間売上高2千万元以上の企業は40社を数える。スマホ用強化ガラスフィルム大手の安徽巨泰視顕光電も供給網を頼って進出し、年間販売額は約3億枚に上る。世界のスマホ用強化ガラスフィルムの少なくとも9割が中国から供給されており、同社の製品も95%以上がインドやブラジル、ドバイ、東南アジアなど海外市場に輸出されているという。

太湖金張科技が日本から導入した2700ミリ幅広偏光板用離型フィルム生産ライン。(2024年9月10日撮影、安慶=新華社配信)

 同社代表の呉鵬程(ご・ほうてい)氏によると、これまでディスプレー産業は日本や韓国が主導してきたが、近年は中国国内でも新型ディスプレーや新エネルギー車(NEV)などの新興産業が急成長していると指摘。「技術のブレークスルーと製品の更新を通じ、市場の歩みに追いついていきたい」と話す。

 太湖経済開発区管理委員会の石嬋娟(せき・せんけん)主任は、同県を「中国膜都(フィルムの都)」に育てる方針を示し、今後は「百億元規模の企業育成」と「1千億元規模の産業創出」を目標に取り組んでいきたいと語った。(記者/何曦悦、胡鋭)

太湖金張科技の工場のクリーンルーム。(2024年9月10日撮影、安慶=新華社配信)

安徽巨泰視顕光電で、裁断されたスマホ用強化ガラスフィルム製品を検査する従業員。(8月13日撮影、安慶=新華社記者/胡鋭)

太湖金張科技の生産工場で稼働中の小型スマート配送車。(2024年9月10日撮影、安慶=新華社配信)

安徽巨泰視顕光電の生産ラインで働く従業員。(8月13日撮影、安慶=新華社記者/胡鋭)

安徽巨泰視顕光電の生産ラインで働く従業員。(8月13日撮影、安慶=新華社記者/胡鋭)

安徽巨泰視顕光電でガラス基材を加工する従業員。(8月13日撮影、安慶=新華社記者/胡鋭)

上空から撮影した太湖金張科技の工場エリアの全景。(2024年9月10日撮影、安慶=新華社配信)

安徽巨泰視顕光電のデジタル生産ライン。(8月13日撮影、安慶=新華社記者/胡鋭)

安徽巨泰視顕光電で、整然と並べられた裁断済みのスマホ用強化ガラスフィルム製品。(8月13日撮影、安慶=新華社記者/胡鋭)

太湖金張科技の生産ラインに設けられた高精細スマート検査システム。(2024年9月10日撮影、安慶=新華社配信)

太湖金張科技の工場エリア。(8月13日撮影、安慶=新華社記者/胡鋭)

太湖金張科技の工場のクリーンルーム。(2024年9月10日撮影、安慶=新華社配信)

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