衛星産業都市の構築に注力 中国・ジャムス市

衛星産業都市の構築に注力 中国・ジャムス市

新華社 | 2025-09-05 13:34:30

佳木斯馭星航天科技の建設現場。(8月18日撮影、ハルビン=新華社記者/孫暁宇)

 【新華社ハルビン9月5日】中国最東部に位置する黒竜江省ジャムス市はここ数年、地理的優位性を生かし、商業宇宙開発・衛星産業の発展がもたらす新たな機会を積極的に捉え、国際的な影響力を備えた衛星測位・制御産業都市の構築に力を注いでいる。

 ジャムス気象衛星地上ステーションでは、陽光が「卵の殻」のような球体建築に降り注ぐ中、衛星受信アンテナがゆっくりと回転し、職員がコンピューター画面を見つめ、データの受信作業に当たっている。

 楊艶竜(よう・えんりゅう)副ステーション長は「衛星が上空を通過する際、アンテナは事前に信号をロックオンし、受信した風雲気象衛星データを直ちに国際衛星気象センターへアップロードすることで、気象予報・予測や農業生産、防災・減災などのためにデータ支援を提供している」と語った。

ジャムス気象衛星地上ステーションの衛星地上受信アンテナ。(8月18日撮影、ハルビン=新華社記者/孫暁宇)

 同市前進区南崗村にある佳木斯馭星航天科技の建設現場では作業が急ピッチで進んでおり、61ムー(約4・1ヘクタール)の敷地内で、作業員が道路やフェンスなどの付帯設備の建設に追われている。同社の運用・保守ステーションの范新知(はん・しんち)ステーション長は、「今年は4基の衛星地上ステーションの設置を完了する計画だ」と語った。

 複数の衛星プロジェクトが実施され、産業クラスターが形成されるのに伴い、企業にとって同市の魅力は高まり続けている。湖南省株洲市に拠点を置く株洲太空星際衛星科技の孫承志(そん・しょうし)最高科学責任者(CSO)は、同市にデータセンターと二次運用・制御センターを建設することを明らかにした。これにより、受信したデータを現地で処理し、標準データの作成や顧客のニーズに合わせた高度なデータ製品の生産が可能となり、ネットワークでのデータ転送コストが大幅に削減されるという。

第3回ジャムス衛星産業発展大会の会場。(8月19日撮影、ハルビン=新華社記者/孫暁宇)

 孫氏は「われわれは気象リモートセンシングデータの総合的な応用を進め、農林分野におけるモデル拠点を建設することができる。特にジャムス市が位置する三江平原は全国有数の重要な食糧生産拠点であり、われわれは農業ニーズに対応した商品を開発し、北斗ナビゲーションや農産物病害虫モニタリングなどの分野で実証的な応用を広げ、東北地域ひいては全国への拡大を目指している」と述べ、同社とジャムス市の協力には大きな発展の可能性があるとの見方を示した。

 同市の衛星産業プロジェクトはすでに21件を数え、総投資額は43億2300万元(1元=約21円)に上る。産業パークの受け入れ体制やプラットフォーム機能なども日々改善され、現在は31件のプロジェクトについて商談が進んでおり、投資額は40億元を超えるという。(記者/孫暁宇)

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