雲南省曲靖市陸良県の陸良駅貨物ヤードで出発を待つコールドチェーン貨物列車「陸良野菜号」。(8月7日撮影、曲靖=新華社記者/高咏薇)
【新華社昆明9月1日】中国雲南省昆明市とラオスの首都ビエンチャンを結ぶ「中老鉄道」が2021年12月3日に開通して以来、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の間に便利な物流ルートが形成され、輸送サービスの高度化が進んでいる。中国の国有鉄道会社、中国国家鉄路集団傘下の昆明局集団貨物輸送部営業二室の田浩文(た・こうぶん)副主任は「当社は22年初めに中老鉄路の快速国際急行貨物列車『瀾湄快線』(ランメイエクスプレス)の運行を開始した。この列車は到着時間が制御可能で、通関と運行のスピードが速いなどの特徴を持つ」と説明する。
農産物の輸出入やサプライチェーンマネジメント(SCM)を手がける四川朗浩進出口集団の王浩(おう・こう)総経理は「この列車の運行開始前、東南アジア産ドリアンを中国に運ぶ方法は道路輸送か海上輸送しかなかった。道路輸送は地形や天候による影響を大きく受け、ビエンチャンから昆明までだけでも最低4日かかっていた。極端な天気に見舞われれば半月かかり、ドリアンの皮の傷みや果肉の変質を招きやすかった。海上輸送は大量の貨物を輸送できるが、片道の所要時間は往々にして1週間を超え、ドリアンの成熟度を正確にコントロールすることが難しかった」と語った。中老鉄道によって輸入ドリアンの貨物ダメージ率と輸送コストがともに大きく低下したとし、同社の25年のドリアン貿易量は24年より20%増加するとの見通しを示した。
中国鉄路昆明局集団の統計データによると、今年の中老鉄道によるドリアン輸入量は8月26日時点で15万トンを超え、前年同期比91%増加した。
幹線鉄道による効率的な輸送のほか、付帯する物流施設の整備もドリアンのサプライチェーンにより多くの活力を与えている。
現在、中老鉄道を利用する鉄道輸送とトラック輸送を組み合わせた複合一貫輸送で四川省に運ばれたドリアンは、5通りの専用ルートを通じて同省から全国各地へと迅速に転送されている。
王氏は「今後の計画としては、中老鉄道と国際物流のハブである成都国際鉄道港の優位性を生かし、輸入品目をマンゴスチンやリュウガンなど国内消費者からの人気が高く、輸送時間に対する要求が高い熱帯果実に広げ、より多くの良質かつ低価格の東南アジアの産品を国内消費者に届けていく」と明らかにした。