残留孤児の今を知るドキュメンタリー、中国で放送

残留孤児の今を知るドキュメンタリー、中国で放送

新華社 | 2025-08-26 10:30:30

黒竜江省牡丹江市にある養父母の墓参りをする残留孤児の池田澄江さん。(5月18日撮影、牡丹江=新華社配信)

 【新華社上海8月26日】同じような境遇にありながら異なる人生を歩んだ中国残留日本人孤児6人を紹介したドキュメンタリー番組「心安何処(JOURNEY HOME)」が19日夜、上海広播電視台の衛星放送チャンネル「東方衛視」で初めて放送された。中国動画配信大手の嗶哩嗶哩(ビリビリ)などの動画サイトでも、翌20日から同作の配信を開始した。

 1945年8月15日、日本は無条件降伏を宣言した。中国侵略日本軍と開拓団は敗戦により撤退。この時、乳幼児を含む0~5歳の多くの子どもたちが中国に置き去りにされた。罪のない小さな命は中国の人々に引き取られて養育され、一部の孤児は成人後に日本へ帰国した。

 撮影チームは今年4月から緊急取材を行った。中国のハルビン、牡丹江、長春、瀋陽、凌源、日本の東京、埼玉、名古屋、熊本、大阪などで15人の残留孤児とその子や孫から話を聞き、うち6人のエピソードを選び作品にした。

東京の自宅で書を描く残留孤児の木村成彦さん(左)。(6月4日撮影、東京=新華社配信)

 番組は中国と日本でそれぞれ生活する6人の今の様子を伝えている。彼らはすでにかなりの高齢で、両親や血縁者の手掛かりは極めて少なく、数十年に及ぶ調査にもかかわらず、肉親もほとんど見つかっていない。

 年月を経るにつれ残留孤児たちの健康状態は以前ほどではなくなったが、中国の養父母や養家に対する深い感謝の気持ちはいつまでも変わらない。彼らは中国と日本の友好や交流がこれからも続いていくことを願っている。(記者/許暁青)

東京の海辺を散歩する残留孤児の木村成彦さん(右)を撮影する取材チーム。(6月5日撮影、東京=新華社配信)

東京の路上で、数千人の残留孤児が原告となった集団訴訟を振り返る残留孤児の池田澄江さん。(6月12日撮影、東京=新華社配信)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。