【新華社重慶8月15日】中国重慶市忠県にある重慶海螺水泥のセメント工場敷地では夏の間、数千羽のサギが羽を休めていた。長年続けてきた環境整備により、長江流域の工業地区で有数の「鳥の楽園」となっている。
重慶海螺水泥は安徽海螺集団が西南地域に設けた重要な生産拠点で、工場東側はかつてむき出しの鉱山だったが、のり面保護や土壌改良、モクゲンジやクスノキなど計1万2千本を植える緑化を進め、植生被覆率を85%に高めた。2015年春にコサギが初めて飛来して巣を作り、その後は毎年3~7月に群れを成してすみ着くようになった。
コサギは大気や水質の変化に敏感な「環境指標生物」とされる。企業はここ数年、超低排出設備への改良や造林、水域整備を進め、外部からの干渉を最小限に抑える閉鎖型管理を実施してきた。今年飛来したサギ類はコサギのほか、ゴイサギ、アカガシラサギ、アマサギなど十数種4千羽に上った。
専門家は、重工業企業が自然と共生できることを示す例であるとして、長江経済ベルトのグリーン(環境配慮型)転換に向けた手本になると指摘している。(記者/李卓璠、唐奕、趙小帥、田金文)