塩幡睦大の成都ワールドゲームズの旅 金メダルを超えた原点

塩幡睦大の成都ワールドゲームズの旅 金メダルを超えた原点

新華社 | 2025-08-14 14:18:15

 12日、試合に臨む塩幡睦大。(成都=新華社記者/王翔)

 【新華社成都8月14日】ワールドゲームズ成都大会のパルクール男子フリースタイルで金メダルを獲得した日本代表、塩幡睦大は、表彰台で晴れやかな笑顔を浮かべた。パフォーマンスについて問われると、迷うことなく「100点」と答えた。しかし、このずっしりと重い金メダルは、彼にとってより深い意味を持つものだった。塩幡は「出場した原点にあるのは、パルクールの魅力を世界に伝えたいという思い。このスポーツは体一つで何もつけなくても誰でもできる」と話す。

 パルクール選手のほかに、体操のコーチとしての顔も持つ塩幡は、競技と指導のバランスを常に模索している。実家に自作のトレーニング場を作るほどの入れ込みようは、パルクールが塩幡の人生に占める重みを物語る。日本でパルクール人口が着実に増えていく様子を目にし、成都ワールドゲームズの舞台を通じてパルクールを広めるという信念はより強固なものとなった。

 12日、表彰式で金メダルを掲げる塩幡睦大(中央)。(成都=新華社記者/王翔)

 初めて中国を訪れた塩幡にとって、成都で目に映る全てが新鮮な驚きに満ちていた。街中にあふれる人波に「本当に人が多い」と何度も目を見張り、車が右側通行するという交通ルールの違いにも異文化を実感したという。焼けつくような暑さの中味わった担々麺のおいしさは忘れられない記憶となり、大会マスコット「蜀宝(シューバオ)」のかわいらしいパンダのイメージも深く心に刻まれた。興味のあった成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地や、三国文化好きとしてぜひ訪れたかった関連の観光地は、残念ながらスケジュールの余裕がなく、次の機会に持ち越しとなった。5年前に知り合った米国のパルクール選手ルドルフ・シアとの成都での再会、そして中国のパルクール界の温かい雰囲気が、この旅を心温まるものにしてくれた。

 成都への愛着と名残惜しさを胸に、塩幡は帰途についた。しかし、そのパルクール普及への歩みは止まることはない。今後より多くの人が、彼を通して情熱とエネルギーに満ちたこのスポーツを好きになるに違いない。(記者/許芸潁)

 12日、試合に臨む塩幡睦大。(成都=新華社記者/王翔)

 12日、試合に臨む塩幡睦大。(成都=新華社記者/王翔)

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