10日、米ニューヨークの国連本部で発言する中国の傅聡国連常駐代表(前列中央)。(国連=新華社記者/謝鍔)
【新華社国連8月12日】中国の傅聡(ふ・そう)国連常駐代表(国連大使)は11日、国連安全保障理事会の海洋安全保障に関するハイレベル公開討論でパナマ運河問題での米国による中国に対する非難は不当として反論した。
傅氏は次のように述べた。米国代表団はこのほど、国連安全保障理事会のさまざまな議題で中国に対し、数々の不当な非難と中傷を行っており、中国はこれに断固反対する。中国は一貫してパナマの運河に対する主権を尊重し、パナマ運河が永世中立の国際水路であることを認めてきた。米国はパナマ運河を支配する口実をつくるため、うそをつき、中国を根拠なく攻撃している。中国は経済的脅迫といじめ行為に断固反対し、米国に対し、デマや騒ぎを起こすことをやめるよう促す。
傅氏は次のように指摘した。米国は南中国海の平和と安定を損なう最大のトラブルメーカーである。米国は南中国海に地上配備型中距離ミサイルを含む攻撃兵器を配備し、大型艦艇や航空機を頻繁に派遣して軍事偵察や演習を行っている。他国の玄関口で軍事力を誇示し、無謀な行動を取るこうした行為は南中国海を混乱させ、自国の地政学的戦略的利益になるようにする試みにほかならない。
傅氏は次のように述べた。米国の覇権や冷戦思考、一国主義の行為が世界の海洋安全保障リスクを劇的に増大させている。米国は国連海洋法条約にいまだに加盟しておらず、その義務を履行する意思もない。国際法と国際海底機構(ISA)の警告を無視し、一方的に国際海底資源の開発を決定し、人類共通の遺産を略奪している。パナマ運河とスエズ運河の正常な運用を公然と脅かし、他国の主権に恣意的に挑戦している。海洋問題を拡大解釈して安全保障問題化し、海上インフラ建設を阻害し、産業チェーンとサプライチェーンの安定を損なっている。中国は米国に対し、深く反省し、大国としての責任を真に果たすよう促す。