渡り鳥の楽園、上海初の世界自然遺産を訪ねて

渡り鳥の楽園、上海初の世界自然遺産を訪ねて

新華社 | 2025-08-10 08:54:45

上海市の崇明東灘鳥類国家級自然保護区に生息するソリハシセイタカシギ。(上海=新華社配信)

 【新華社上海8月10日】中国上海市の崇明東灘渡り鳥生息地は、長江河口にある崇明島の最東端に位置する。国内最大かつ最も特徴的な河口干潟湿地の一つであり、同市初の世界自然遺産でもある。

 2024年7月に行われた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第46回世界遺産委員会で、崇明東灘渡り鳥生息地が「中国の黄海・渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(第2段階)」の一部として世界自然遺産に登録された。

上海市の崇明東灘で漂流ゴミを利用して作られた「生態浮島」。(上海=新華社配信)

 この地域は「渡り鳥のガソリンスタンド」と呼ばれ、渡り鳥の移動ルート「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ」の重要な中継地点となっている。

 上海市は13年9月、総額11億6千万元(1元=約21円)を投じて崇明東灘生態修復プロジェクトを立ち上げた。崇明東灘自然保護区管理事務センターの鈕棟梁(ちゅう・とうりょう)主任によると、昨年は保護区の生態修復エリアの新たな区画に、生態系を育む助けとなるカヤツリグサ科の植物「海三棱藨草」の生育面積を2千ムー(約133ヘクタール)余り増やし、渡り鳥のためにより良い生息環境を整えた。

上海市の崇明東灘自然保護区にある科学普及教育拠点の展示ホールに陳列された鳥類の標本。(2024年7月24日撮影、上海=新華社記者/陳浩明)

 海洋ごみ問題に対処するため、保護区では昨年より復旦大学と協力し、竹ざおや発泡スチロールなどの漂流ゴミを利用して鳥類が繁殖するための「生態浮島」を設置。渡り鳥のためにより安全でより広い繁殖環境を確保した。

 保護区では鳥類の多様性をより正確に記録するために鳥類リストの改訂も行った。生息する鳥類の総数は300種から364種に増え、うち国家1級保護鳥類は20種に上った。(記者/陳浩明、董雪)

上海市の崇明東灘自然保護区にある科学普及教育拠点。(7月23日撮影、上海=新華社記者/陳浩明)

上海市の崇明東灘鳥類国家級自然保護区に生息するクロツラヘラサギ。(上海=新華社配信)

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