世界市場で存在感増す中国国産ゲーム、夏休みに大型イベントも

世界市場で存在感増す中国国産ゲーム、夏休みに大型イベントも

新華社 | 2025-08-05 11:18:15

 7月27日、試遊会でゲームを体験する多数のプレーヤー。(北京=新華社配信/呉尤優)

 【新華社上海8月5日】中国では夏休みに入って文化・娯楽消費が高まっており、ゲームやアニメに関連するさまざまなイベントが注目を集めている。

 北京市にある首鋼三高炉博物館では、中国のゲーム大手、北京霊游坊軟件科技(S-game)が開発したアクションRPG「影之刃零(Phantom Blade Zero)」のオフライン試遊会が開かれた。

 同博物館は、中国鉄鋼大手、首鋼集団の製鉄所跡地に建てられた複合施設「首鋼パーク」内にある。館内では、工業用ギアやパイプ、セメントなどの要素を組み合わせた円形の高炉の炉底部を囲むように、真新しいパソコンディスプレーがずらりと並び、照明と無数に垂れ下がった赤い糸の下で、鮮やかなコントラストを生み出していた。

 「影之刃零」は、中国の古典文学「西遊記」を題材にしたアクションRPG「黒神話:悟空」に続く、ゲーム市場で最も人気の高いAAAタイトル(多額の開発費を投入した超大作、AAA=トリプルエー)の一つで、中国の武侠・カンフーを題材に革新的な架空世界を融合させた作品。中国武術の国内外での知名度とゲーム独自の華麗な戦闘デザインから、海外のプレーヤーからの評判も高い。

 7月27日、試遊会でゲームを体験するプレーヤー。(北京=新華社配信/呉尤優)

 同作品のゲームプロデューサー、梁其偉(りょう・きい)氏によると、今回のオフラインイベントには世界各国からプレーヤーが体験に訪れたが、良質な体験を楽しんでもらうため、参加者数を千人ほどに制限したという。欧米からは約100万人のフォロワーを持つ実況系インフルエンサーが多数参加。このうち100万人超えのメガインフルエンサーは10人以上、参加した海外インフルエンサーのフォロワー数は合計で4千万人を上回った。

 「影之刃零」は、中国ゲーム関連イベントの盛況ぶりを象徴する一例と言える。上海市で7月4日から8月10日まで開かれている第1回「上海の夏」国際アニメ月間の一連のイベントには、国内外から100万人以上の来場者・消費者が見込まれている。同月間の主要イベントとして、3日間にわたって開催された第20回中国国際アニメ・ゲーム博覧会には、アジアや欧州、中南米の約10国・地域から480の出展者が参加した。

 中国国産ゲームはここ数年、独自のスタイルと質の高いコンテンツで世界中のプレーヤーの注目を集めている。統計によると、昨年の中国独自開発ゲームの海外市場における実質売上高は前年比13・4%増の185億ドル(1ドル=約147円)を上回り、過去最高を再び更新。今年第1四半期(1~3月)は前年同期比18・0%増となり、48億ドルに迫った。

 7月27日、オフライン試遊会の会場で入場の順番待ちをする来場者。(北京=新華社配信/呉尤優)

 具体的なゲーム事例から市場データに至るまで、中国製ゲームは多様なジャンルや洗練された作り、革新的なプレースタイルで、世界のゲーム市場で頭角を現している。

 米国のゲームメディア関係者ダリ氏は、今回初めて中国を訪問し「影之刃零」の試遊会に参加した。同氏はゲームを試遊することで、伝統的な武侠の神髄を味わい、中国文化の奥深さに対する理解を深めたと語った。中国の伝統的美学と「サイバーパンク(SFのサブジャンル)」的要素を融合させた「カンフーパンク」と呼ばれる世界観を持つゲームは、中国文化に対する新たな認識をもたらしたという。

 中国ゲーム業界は現在、「輸入」と「輸出」の両方に積極的に取り組んでおり、ますます多くのグローバルプレーヤーがゲームを通じて中国の文化とゲーム産業の活力を理解するようになっている。中国製ゲームが世界市場でシェアを拡大し、影響力を高めるのに伴い、グローバルプレーヤーは中国製ゲームを通じて中国文化の独特な魅力をより手軽に体験できるようになった。これにより、中国文化もデジタル時代に世界の多様な文化と出会い、融合し、輝かしい光を放つだろう。(記者/趙逸赫)

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