18日、南京市建鄴(けんぎょう)区と華晨宝馬汽車による宝馬(南京)信息技術設立に関する協力提携調印式。(南京=新華社配信)
【新華社南京7月28日】ドイツ自動車大手BMWグループはこのほど、中国江蘇省南京市に、グループでアジア最大となるIT(情報技術)開発センターとなる宝馬(南京)信息技術を設立すると発表した。新会社はAI(人工知能)や産業用デジタルツイン、スマート製造などの最先端分野に焦点を当て、グループの生産や販売、アフターサービスなど全工程に対してデジタルソリューションを提供する。
18日、南京市建鄴(けんぎょう)区との宝馬(南京)信息技術設立に関する協力提携調印式に出席した華晨宝馬汽車のデッカー総裁兼CEO。(南京=新華社配信)
BMWと華晨汽車集団の合弁企業、華晨宝馬汽車(華晨BMW)のデッカー総裁兼最高経営責任者(CEO)氏は「中国はデジタル技術応用の分野で世界をリードするだけでなく、イノベーションエコシステムを構築し、繁栄させる活力にあふれている」と指摘。「新会社の設立は、デジタル中核能力の構築を加速させ、中国のイノベーションエコシステムとの協働によって、BMWグループの中国、さらには世界全体でのデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする」と強調した。
BMWグループが中国に持つ自動車工場。(南京=新華社配信)
BMWは現在、中国でスマート運転支援システムやスマートコックピット、スマートインタラクションなどのコア技術分野を含む未来志向のスマートエコシステム構築を加速させる体制を整えている。今年以降は、自動運転スタートアップMomenta(モメンタ)とのスマート運転支援システムの開発、アリババグループとの大規模言語モデル「通義」に基づくカスタマイズAIエンジンの構築、大規模言語モデル「DeepSeek(ディープシーク)」のBMWスマートパーソナルアシスタントシステムへの導入など、中国のテクノロジー企業との共創関係を深めている。
BMWグループが中国に持つ自動車工場。(南京=新華社配信)
「われわれは今、自動車とソリューションの新世代に足を踏み入れつつある」。デッカーは、中国は情報技術革新の最前線に立っており、BMWにとって南京は中国のイノベーションへの入り口になると指摘。「われわれは常に、自由貿易こそが世界の繁栄と発展の礎だと信じている。中国とドイツの協力強化は双方がウィンウィン関係を実現する本質的要素だ」とし「協力こそが未来を勝ち取る鍵だと信じている」と語った。(記者/何磊静)