雲南省シーサンパンナ・ダイ族自治州に位置する関累港。(昆明=新華社配信)
【新華社昆明7月24日】中国雲南省西双版納(シーサンパンナ)税関はこのほど、最新の統計を発表し、今年上半期(1~6月)に同税関管轄下の関累港口岸(通関地)を経由した貿易貨物量が前年同期比92・8%増の12万5600トン、貿易額は約2・4倍の15億4700万元(1元=約20円)だったと明らかにした。うちトレーラー、ダンプトラック、トラクターなどの車両の輸出額は30・6%増の3874万元となった。
関累港口岸は、同省シーサンパンナ・ダイ族自治州勐臘(もうろう)県西部、瀾滄江(らんそうこう)が国境を越えてメコン川と名が変わる地点に位置する。2024年12月10日に正式に対外開放された同口岸は、ラオスやミャンマー、タイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の貨物がメコン川経由で中国に入る際に通過する最初の港であり、中国と瀾滄江・メコン川流域諸国との貿易における重要なハブの役割を果たしている。
満載された輸出用の中国製大型トラックや農業機械が雲南省の関累港から東南アジアへ向かい、同省産のリンゴやブドウといった温帯の果物も川を南下してASEAN市場へ出荷される。同時に、ミャンマー産のゴムやタイ産のサトウキビなど熱帯の作物がこの水路を北上して中国内陸部に輸入されるなど、国境貿易の活性化が促進され続けている。
関累港の貿易貨物量が増加するにつれて、港と高速道路をつなぐ陸上交通が、瀾滄江-メコン川という「黄金の水路」発展を制約するボトルネックとなっていった。西双版納税関駐関累港弁事処の董棟棟(とう・とうとう)副主任は、「関累港から勐遠高速道路までの区間はかつて28キロの県道で、トラックが通過するのに1時間以上かかり、雨の日はさらに効率が落ちた」と振り返った。
ミャンマーへ輸出される中国製大型トラック。(昆明=新華社配信/査巍)
現在では、こうした状況は完全に過去のものとなった。今年7月初め、各級部門の連携と支援の下、勐遠と関累港間の高速道路が開通し、自動料金収受システムも導入された。連絡道路の開通により、港から高速道路までの所要時間はわずか10分余りに短縮された。
業界の専門家は、関累港口岸のインフラが徐々に整備されるにつれ、瀾滄江-メコン川の航路が昆明-バンコク国際高速道路や中国ラオス鉄道などの路線と相互補完し、効率的な接続を実現する「水路・道路・空路・鉄道」の多様な相互接続の開放型パターンを形成していると指摘。雲南省ひいては中国南西部全体の地理的優位性を高めるだけでなく、沿線地域の発展を加速させ、中国と大メコン圏(GMS)、そして「一帯一路」諸国との経済貿易協力の不断の深化を促進しているとの見方を示した。(記者/王賢思)