遊覧竹いかだに乗って貢水河の夜景を楽しむ「竜遊貢水」に参加する観光客。(7月9日撮影、宣恩=新華社記者/伍志尊)
【新華社武漢7月24日】中国湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州宣恩県を流れる貢水河の湖畔に広がる仙山貢水観光区は連日、日が暮れると大いににぎわっている。明かりが次々とともり、竹いかだの列が連なって水面を蛇行し、橋の上も岸辺も観光客でごった返している。しかし、ここはかつて水が黒く濁って悪臭を放ち、長年にわたり地元住民を悩ませる場所だった。
同県は内水氾濫の被害を防ぐためダム3基と放水トンネル3本を建設。1万5千メートルの下水管と3カ所の人工湿地を整備し、市街地の汚水処理率100%を実現した。こうしてかつての「汚く、乱雑で、貧しい」国家級貧困県は、文化・観光の新たなランドマークへと変貌を遂げた。
貢水河の岸辺で踊りのパフォーマンスを楽しむ観光客。(7月9日撮影、宣恩=新華社記者/伍志尊)
今では、貢水河沿いにトゥチャ族の伝統的な建築物の墨達楼やトン族の風雨橋、ミャオ族の鐘楼が絶妙な配置で建ち並び、岸辺では「擺手舞」や「蹦仙迪」などの民族舞踊が披露され、ライトアップショーと音楽噴水が華やかに融合する光景が広がっている。省内で唯一、県城(中心市街地)を核とする国家4A級(上から2番目のランク)風景区に指定されており、貢水河が十数カ所の観光スポット、グルメスポットを結んでいる。
遊覧竹いかだに乗って貢水河の夜景を楽しむ「竜遊貢水」に参加する観光客。(7月9日撮影、宣恩=新華社記者/伍志尊)
同県の観光業は活況が続いており、2024年には観光客が延べ538万人を超え、観光収入は38億8500万元(1元=約20円)に達した。25年上半期(1~6月)はすでに観光客が500万人を突破し、前年同期比70%増となっている。(記者/范源辰、眭黎曦)