中国で絶滅とされていた植物「単花美冠蘭」、112年ぶり確認 

中国で絶滅とされていた植物「単花美冠蘭」、112年ぶり確認 

新華社 | 2025-07-23 10:26:15

野生の単花美冠蘭。(7月11日撮影、玉渓=新華社配信/蒋宏)

 【新華社昆明7月23日】中国の研究者がこのほど、雲南省のラン科植物のモニタリングおよび国家重要野生植物の遺伝資源保存庫(ジーンバンク)プロジェクトの採集中に、同省玉渓市新平イ族ダイ族自治県を流れる元江の河谷で、かつて絶滅と評価された希少な絶滅危惧種の植物「単花美冠蘭」(学名:Eulophia monantha)の野生の群生を発見した。中国における野生の単花美冠蘭の確認は112年ぶりとなる。

 同省林業・草原科学院の蔣宏(しょう・こう)副研究員によると、単花美冠蘭はラン科イモネヤガラ属の多年生植物で、雲南省の固有種だという。この植物の模式標本は、1913年にジョージ・フォレストが同省大理で採集し、1921年に英国の植物学者ウィリアム・ライト・スミスが「エディンバラ王立植物園 年報」に発表した。その後100年以上、この種の採集記録はなく、2013年には絶滅(EX)として「中国生物多様性レッドリスト-高等植物巻」に掲載された。

野生の単花美冠蘭。(7月11日撮影、玉渓=新華社配信/蒋宏)

 今回、元江河谷で発見された単花美冠蘭の群生は、個体群数約50株で、標高1120メートルのウンナンマツ林の痩せた赤黄色土や砂利の隙間に生育していた。生育状況は比較的良好だが、開花している株は少なかった。研究者らは、模式標本と一次資料の文献を比較した結果、単花美冠蘭は「単花(1輪の花)」と名付けられているものの、健康な個体は2~3輪の花を咲かせ、葉の長さや幅にも一定のばらつきがあることを発見した。

 単花美冠蘭の再発見は、中国におけるラン科植物の多様性研究とその保護にとって重要な意義を持ち、種の保護をさらに強化し、生物資源の合理的な開発と利用を導くための基礎を築くものとなる。(記者/趙珮然)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。