中国・南京大、敦煌文化と敦煌学に関するシンポ開催

中国・南京大、敦煌文化と敦煌学に関するシンポ開催

新華社 | 2025-07-22 12:11:01

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する南京大学外国語学院の何寧(か・ねい)教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

 【新華社南京7月22日】中国江蘇省南京市の南京大学仙林キャンパスで19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムが開かれ、敦煌学や歴史学、言語学、国際伝播、演劇・映画などの分野の専門家や学者が、敦煌文化の国際伝播、敦煌学研究の国際化の道筋などをテーマに深く議論した。

 南京大学外国語学院の何寧(か・ねい)院長は、中華文明の重要な象徴である敦煌文化を国際的な学術界や公衆文化に広める意義は特定地域の文化現象をはるかに超え、過去と現在をつなぎ、中国と外国を結ぶ重要な接点になると述べた。

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する国際交流基金北京日本文化センターの野田昭彦所長。(南京=新華社配信/陳葉敏)

 日本の国際交流基金北京日本文化センターの野田昭彦所長は、敦煌学は唐代文化の継承を担い、多様な民族文化が放つ輝きを示していると指摘。敦煌とシルクロード文化は今も日本の社会で高い関心を集めているとし、日中両国は敦煌学の分野で深い関係があり、今後も協力を深めていくべきとの考えを示した。

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで学術報告をする敦煌研究院情報センターの夏生平(か・せいへい)副主任。(南京=新華社配信/陳葉敏)

 敦煌研究院情報センターの夏生平(か・せいへい)副主任は学術報告で、デジタル技術が敦煌莫高窟(ばっこうくつ)の壁画や彩色塑像、建築物のデジタル化に新たな理念を与えたと指摘。文化財の全ての情報を永久的に保存できる上、敦煌の石窟文化財本体を保護する上でも正確で詳細なデータを提供できるとし、遺産のより踏み込んだ展示をデータ面から支え、観光客の受け入れで生じる石窟文化財保護の圧力を大幅に軽減できると語った。

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで学術報告をする復旦大学出土文献・古文字研究センターの張小艶(ちょう・しょうえん)教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

 敦煌道教講経文の語釈について特別報告を行った復旦大学出土文献・古文字研究センターの張小艶(ちょう・しょうえん)教授は、敦煌道教講経文は唐・五代の西北方言を研究する上で極めて貴重な言語資料であり、文献学や言語学で重要な価値を持つと強調した。

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで学術報告をする敦煌研究院仏学研究センターの根敦阿斯爾(ゲンドンアスル)副研究員。(南京=新華社配信/陳葉敏)

 敦煌研究院仏学研究センターの根敦阿斯爾(ゲンドンアスル)副研究員は、端午節の意義と起源、仏教文化が敦煌の端午民俗に与えた影響、「闘百草」と呼ばれる薬草にまつわる民間習俗などの観点から東アジア文化を視野とした敦煌の端午民俗の現象に注目している。敦煌壁画や敦煌文献に示される民俗の事象は周辺諸国・民族・地域と幅広い共通性を持つことから、学術界は東アジアの「一国民俗学」の枠組みを乗り越え、シルクロード文化を背景として民族共有の文化遺産を研究すべきとの考えを示した。

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで学術報告をする南京大学外国語学院の劉東波(りゅう・とうは)助理教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

 南京大外国語学院の劉東波(りゅう・とうは)助理教授は、日本の「敦煌熱」は学術や文化、社会各界に広く影響を与え、敦煌学の確立を促進し、人々の中国文化への関心を高めたが、中国で敦煌研究が深まる中で国際敦煌学の研究の重心は多元的な対話に向かっていると指摘。中日両国は敦煌文化の研究と保護で大きな協力の可能性があり、歴史と文化の多様性の尊重を踏まえた上で、敦煌文化遺産の保護と継承に共に取り組むことが期待されると述べた。

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する南京大学の張福通(ちょう・ふくつう)副教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

 円卓フォーラムでは、出席した専門家や学者が敦煌文化の分野横断的な伝播について深く交流した。

 今回のシンポジウムは南京大外国語学院が主催し、中国外文局対外話語創新研究基地、国際交流基金北京日本文化センター、南京大中華民族現代文明研究院、「南大日本学研究」編集部が協力した。(劉東波、李艾沢)

19日、記念撮影する「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムの出席者ら。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する南京大学芸術学院の徐志君(じょ・しくん)助理教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、南京大学で開かれた「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウム。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する江蘇大学文学院の戴文静(たい・ぶんせい)教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、南京大学で開かれた「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウム。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、南京大学で開かれた「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウム。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する南京大学哲学学院の邵佳德(しょう・かとく)副教授(右)。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する中国国家話劇院の李娜(り・な)博士。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する内モンゴル大学外国語学院の白莉莉(はく・りり)副教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する寧波大学外国語学院の張楠(ちょう・なん)教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する中国社会科学出版社江蘇分社の沈清清(しん・せいせい)編集員。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する蘭州大学の范亜秋(はん・あしゅう)副教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する南京大学哲学学院の胡永輝(こ・えいき)副教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、南京大学で開かれた「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウム。(南京=新華社配信/陳葉敏)

19日、「敦煌文化の国際伝播と敦煌学研究の国際化」学術シンポジウムで発言する南京大学日本語学部の王奕紅(おう・えきこう)教授。(南京=新華社配信/陳葉敏)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。