15日、パナソニックのブース。(北京=新華社配信)
【新華社北京7月20日】パナソニックグループは、今年で第3回となる中国国際サプライチェーン(供給網)促進博覧会(16~20日、北京市)に、昨年に続いて出展した。今年は「安定したサプライチェーン」「高い製造力基盤」「革新技術」「安全安心」の四つのコア能力に焦点を当て、住宅、健康、環境保護などの分野における最新成果を集中的に展示した。パナソニックホールディングスの小川理子執行役員は新華社の取材に応じ、中国のパートナーとの「共存共栄」の関係を一層深めることへの期待を語った。
パナソニックの住宅や健康、文化関連製品の調達ネットワークは世界中に広がり、特に中国市場はグローバル事業において重要な位置づけにある。「『良いくらし』を家から街まで」をテーマに掲げた同社は、スマートキッチン、快適なリビング、健康的な寝室、新エネルギー車向けソリューションをカバーする複数の体験展示エリアを設け、スマート製造と環境配慮型のグリーンイノベーションにおける実力をアピールした。
16日、パナソニックのブースで大阪・関西万博のマスコット「ミャクミャク」とポーズを取る小川氏。(北京=新華社配信)
小川氏は「サプライチェーン博という素晴らしい場で、川上から川下までの各関係者や異業種のリーダーたちと深い交流ができた」と語り、この交流が業界の動向や市場のニーズをタイムリーに把握する助けになり、ビジネスチャンスの拡大や協力関係の深化につながるとの認識を示した。
公開情報によると、同社の中国事業は全世界事業の24・4%を占め、中国・東アジア地域では64の子会社を展開、サプライヤー数は6千社を超える。小川氏は、中国の強固なサプライチェーンが効率的なビジネスモデル構築を支えているとした上で、「中国コスト、中国スピード、中国スタイル」が同社のグローバル競争力を継続的に高める原動力になっていると語った。
パナソニックは産業協力にとどまらず、中日間の文化交流にも積極的に取り組んできた。小川氏はかつて万博関連業務に従事し、サプライチェーン博では2年続けて歓迎夕食会でピアノ演奏を披露するなど、文化を通じた交流を深めてきた。「文化交流は経済・技術協力の基盤であり、両国の相互理解を確かに促進できる」と述べた。
15日、パナソニックのブースに展示されたテクニクスの製品。(北京=新華社配信)
ブランドの若返りにも取り組む同社は、傘下のオーディオブランド「テクニクス」によるワイヤレスヘッドホンやDJ機器を通じ、若年層との接点を広げている。動画配信大手のビリビリが上海で開催した「BilibiliWorld(BW)2025」でも、同社の出展が若者の間で好評を博した。
中日協力の未来について小川氏は「グリーン化、環境、エネルギー、カーボンニュートラル、スマート製造などの分野で明るい展望がある」との認識を示し、これらの分野における同社の技術的蓄積と先進的な経験を生かし、中国に実現可能なソリューションを提供し、関連技術の革新と発展を共に推進していく意向を明らかにした。
中国では、産業・サプライチェーンの安定性、信頼性、柔軟性といった優位性が際立ち、外資にとっての魅力が一層高まっている。パナソニックも中国での投資を継続的に拡大し、供給体制の改善を進めながら、サプライチェーン博というプラットフォームを活用し、「共存共栄」の関係深化に期待を寄せている。(記者/許芸潁)