5日、上海市金山区の上海レゴランドに入園する観光客。(上海=新華社記者/王翔)
【新華社北京7月15日】中国で現在、さまざまなキャラクターが多くの大人を引き付け、消費に新たな活力を生み出している。アートトイブランド「ポップマート」が展開するキャラクター「LABUBU(ラブブ)」シリーズのブラインドボックスが好調な売れ行きを見せ、上海で5日に中国初のレゴランドがオープンした際は入園券と周辺ホテルの予約が殺到した。全国各地の商業施設は玩具をテーマにしたエリアを整備し、客足を伸ばしている。
「90後」(1990年代生まれ)の星星(せいせい)さんは自宅にラブブの縫いぐるみを飾っている。「宝物」たちのために多種多様な服も購入しているといい、「かわいい服を着せるのは、心を込めて親友をドレスアップさせるようなもの。幸せな気持ちになれる」と喜ぶ。
プログラマーの張(ちょう)さん(32)はレゴの組み立てでストレスを解消している。「組み立てている時は完全に無心になれる。集中している感じがストレス発散になる」と話した。
レゴの専門店で商品を選ぶ客。(北京=新華社配信/汪菁璐)
浙江伝媒学院文化創意・管理学院(浙江省嘉興市)の張雷(ちょう・らい)院長は「『童心消費』は、消費者にそれぞれ異なる感情的価値をもたらす。ブラインドボックスを開ける時の未知性と不確実性が強い報酬効果を生む。レゴを組み立てる過程は『ゼロから1』の創造体験となる」と説明した。また、ラブブの人気が縫いぐるみ販売をけん引し、カスタマイズや衣装のオーダーメード、アクセサリーなど関連市場を含む広大なエコシステム構築を促したと分析。「バリューチェーンの拡大と革新はユーザーの定着度と消費頻度を高め、多くの雇用機会と新たな職業を生み出した」と語った。
日用雑貨卸売市場の中国義烏小商品城(浙江省義烏市)では、玩具店オーナーの谷会傑(こく・かいけつ)さんが、かつてない忙しさの中にいる。「ドール用衣装の売り上げがますます好調で、工場では1日約3万セットを生産している。半分は海外からの注文だ」とうれしい悲鳴を上げた。
カスタムドール作家の朱成斌(しゅ・せいひん)さんも大忙しの日々を送る。供給が追い付かないほどの需要があり、1点当たり100~300元(1元=約21円)の注文が8月まで入っている。トレンドトイ文化の隆盛とともに現れた新たな職業で、各種ドールのメークやヘアデザイン、服のコーディネートなどを行う。
朱成斌(しゅ・せいひん)さんのカスタムドール作品。(北京=新華社配信)
市場調査機関の中商産業研究院によると、中国のIP(知的財産)玩具市場規模は2020年の486億元から24年には756億元と、年平均11・7%のペースで増加した。同院のアナリストは、今年の中国のIP玩具市場規模が911億元に達すると予測している。
ブラインドボックスの人気やレゴランドの開業、トレンドトイ文化の流行など、「童心」は現代社会の情緒的ニーズと消費高度化の傾向を反映し、中国経済の活力と多様性も示している。(記者/彭純、馬江)
トレンドトイショップで商品を選ぶ若者ら。(北京=新華社配信/汪菁璐)