中国商務部、EU委員長の非難に反論

中国商務部、EU委員長の非難に反論

新華社 | 2025-07-11 12:35:00

中国商務部。(北京=新華社記者/李賀)

 【新華社北京7月11日】中国商務部の何詠前(か・えいぜん)報道官は10日の記者会見で、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長が演説で、中国を市場参入、補助金、政府調達、輸出管理規制、過剰生産能力などの問題で非難したことに関し、EU首脳の主張は中国とEUの経済・貿易関係の現状を真に反映しておらず、双方の経済・貿易主管部門間の対話と意思疎通による前向きな進展も反映していないと指摘した。

 何氏は次のように述べた。市場参入に関して言えば、中国は一貫してハイレベル対外開放の拡大を堅持し、すでに製造業分野の外資参入制限を全面的に撤廃し、中国国際輸入博覧会(輸入博)などを通じて積極的に欧州からの輸入拡大を図り、EU企業にさらなる市場機会を提供している。一方、EUは近年、公正貿易の名の下で実際には保護主義を行い、貿易救済措置を乱用し、国際経済貿易ルールの抜け穴を利用し、世界貿易機関(WTO)の基本原則や自由貿易の精神に反する一方的な手段で、中国企業に対する外国補助金などの調査を頻繁に実施しており、市場開放度は後退し続け、ビジネス環境は悪化し続けている。

 補助金問題に関して言えば、EUは「他者に厳しく、自らに甘い」二重基準を使っている。EUは補助金大手としての歴史を持ち、航空機、農業などの分野への補助金はWTOから規則違反と判断されている。EUは近年、誤ったやり方を是正するどころか、一段と力を入れ、補助金の増額を続けている。大まかな統計によると、EUは2021年から30年までの間だけでも、1兆4400億ユーロ(1ユーロ=約172円)を超える各種補助金の支給を計画している。加盟国の補助金はさらに際限がなく、数千億ユーロに上っている。

 政府調達に関して言えば、EUの公共調達市場はEUが主張する公平・開放とはほど遠く、実際には多くの隠れた障壁が存在し、「欧州製品」購入奨励策も打ち出し、多くの国から批判されている。EUはまた国際調達措置により、中国企業や中国製品の医療機器公共調達への参加を制限している。こうした状況で中国は自国企業の正当な利益を守るため、やむを得ず対等な制限措置を講じた。

 輸出管理規制に関して言えば、中国が繰り返し強調しているように、中国の輸出管理規制は慎重かつ適切であり、対象品目はEUよりもはるかに少ない。中国のレアアース(希土類)関連品目に対する輸出管理規制は法律や規則に準拠しており、欧州企業の承認手続きを迅速化するための「グリーンチャンネル(優先レーン)」も設置しているが、EUは中国の努力を評価するどころか、むやみに非難している。さらにEUのハイテク輸出管理規制の審査・承認は遅く、手続きも煩雑で、中国EU間の産業・サプライチェーンの安定性に深刻な影響を与えている。

 いわゆる「過剰生産能力」に関して言えば、第一に、過剰生産能力の有無は、生産量や輸出量だけで判断できるものではない。EUは長年、大量の航空機や自動車を輸出してきた。これは過剰生産能力の輸出ではないだろうか。第二に、世界的視点と中長期的に見れば、中国の新エネルギー産業には「過剰生産能力」ではなく、むしろ「生産能力不足」が存在しており、EUの非難には根拠がない。第三に、中国は市場経済の法則に従って、伝統的産業の構造転換と高度化を推進し、内需を経済成長けん引の主な原動力と安定のいかりとするため努力している。最後に、中国のグリーン(環境配慮型)製品はEU市場に影響を与えておらず、逆にEUのグリーントランスフォーメーション(GX)を後押しし、EUの産業と消費者に利益をもたらしている。従って過剰なのは中国の生産能力ではなく、長期的な研究開発投資不足と産業競争力低下によって生じたEUの不安かもしれない。

 今年は中国EU外交関係樹立50周年で、中国EU間の重要ハイレベル交流が予定されている。EUが中国との経済貿易関係を感情や偏見で見るのではなく、非難を減らして意思疎通を増やし、保護を減らして開放を増やし、不安を減らして行動を増やし、協議を増やしてレッテル貼りを減らすことを期待する。中国はEUと共に、外交関係樹立50周年を契機に、双方向の市場参入を拡大し、政府調達や輸出管理規制に関する対話を強化し、産業・サプライチェーン協力を深め、WTO改革を進め、開放型世界経済の構築にさらなる安定性、確実性、前向きなエネルギーを注入していきたい。

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