内モンゴル自治区ヒンガン盟ウランホト市の内蒙古科沁万佳食品で、みそ製品を見せる同社の于海竜(う・かいりゅう)董事長。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
【新華社フフホト7月10日】日本のスーパーマーケットの商品棚では現在、内蒙古科沁万佳食品のみそをよく見かける。中国内モンゴル自治区興安(ヒンガン)盟ウランホト市にある同社は日本のみそ市場において、小分けみそ製品の売上高で上位5社に入っている。
同社は1993年当時、「万佳」という簡素な小工場で、生産量は年間300トンに満たず、工場の建物は古く、設備は旧式だった。同社の于海竜(う・かいりゅう)董事長は「当時はヒンガン盟が優れたみそ醸造地になるとは夢にも思わなかった」と感慨深げに語った。
内モンゴル自治区ヒンガン盟ウランホト市の内蒙古科沁万佳食品のみそ工場で製品を計量する従業員。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
同市は北緯47度に位置し、優れた気候条件と栽培条件に加え、アルシャン市地域のミネラルウォーターがあり、みそ醸造に最適の環境が整っていた。
96年、日本の味噌メーカー、マルマンの中田恭一社長が自ら中国を訪れ、万佳を綿密に視察した。中田社長は同社の潜在力を鋭く察知、すぐに提携し、全面的な技術指導を担当することを決めた。同年、万佳は日本で初めて中国産の無農薬・無添加みそを発売した。
2000年、同社は日本の有機JAS認証を取得、中国で初めて日本の有機食品認証を取得した企業となった。
内モンゴル自治区ヒンガン盟ウランホト市の内蒙古科沁万佳食品で黄豆醤(中国大豆みそ)の色あいを機器で検査する従業員。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
30年にわたり、同社は日本と深い友好協力関係を維持している。毎年、日本の専門家チームが工場に深く入り、技術改善を指導し、生産過程で直面するさまざまな問題の解決を支援している。
1993年に年間生産量が300トン未満だった小さな工場は、32年をかけて大きな変貌を遂げ、現在では製品110種類余りを擁する現代的な企業になっている。
内モンゴル自治区ヒンガン盟ウランホト市の内蒙古科沁万佳食品に掲示された「日本JAS有機原料倉儲庫」の銘板。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
約30年間で同社のみそ輸出量は累計約6万5千トンに、生産額は約7億元(1元=約20円)になっている。
同社の製品は現在、52の国・地域に輸出され、米国のホールフーズマーケット、スイスのコープ(COOP)、ドイツのリドル(Lidl)、オーストラリアのアルディ(ALDI)など国際的に有名なスーパーと協力関係を築いている。
于董事長は「今後、わが社は消費者のニーズに合った新製品をさらに多く発売し、国際市場、中国市場を継続的に開拓する」と語った。(記者/趙沢輝)
内モンゴル自治区ヒンガン盟ウランホト市の内蒙古科沁万佳食品を出発するトラック。(2月20日、ドローンから、フフホト=新華社記者/貝赫)