中国の研究者、桃が甘くなる重要な分子メカニズムを解明

中国の研究者、桃が甘くなる重要な分子メカニズムを解明

新華社 | 2025-07-10 10:28:15

桃の果実のショ糖蓄積を制御するPpbZIP18の機能解析とその作動モデル。(武漢=新華社配信)

 【新華社武漢7月10日】中国湖北省武漢市にある中国科学院武漢植物園はこのほど、中国の研究者が最新の研究で、桃のショ糖蓄積を制御する重要な分子メカニズムを発見、桃の「甘さ」の秘密が科学的に解明したと明らかにした。研究成果はこのほど、国際学術誌「Molecular Horticulture」電子版に掲載された。

 桃の甘さは、その風味を決定づける最も重要な要素の一つとされる。責任著者の一人、同園の韓月彭(かん・げつほう)研究員は「桃の甘さは主にショ糖に由来するが、桃の果実がどのようにショ糖を蓄積するのかは、これまであまり分かっていなかった」と述べた。研究チームは、桃の果実の糖質含有量を制御する重要な遺伝子領域において、PpbZIP18という特殊なタンパク質がショ糖の蓄積過程で中核的な役割を果たしていることを発見したという。

 研究チームはこのタンパク質の生物学的機能を解析し、PpbZIP18がショ糖合成酵素遺伝子PpSuSy1と糖輸送タンパク質遺伝子PpST1の発現を活性化させ、それによって桃果実中のショ糖の蓄積を制御していることを突き止めた。PpSuSy1遺伝子がショ糖の合成を制御するのに対し、PpST1遺伝子はショ糖を輸送する機能を持つ。

 韓氏は「この発見は、桃の果実が甘くなる分子メカニズムをより明確に理解するのに役立つ」と語り、今回の研究は、将来より甘く、風味の良い桃の新品種を育成する上で、重要な理論的根拠と貴重な遺伝資源を提供するものだと説明した。(記者/侯文坤)

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