魚文化で産業振興の道を切り開く 中国黒竜江省撫遠市

魚文化で産業振興の道を切り開く 中国黒竜江省撫遠市

新華社 | 2025-07-03 16:37:30

 黒竜江省撫遠市の東極魚市でつるされた小売用の魚製品。(2024年10月11日に撮影、撫遠=新華社記者/王建威)

 【新華社ハルビン7月3日】中国最東端に位置する黒竜江省撫遠(ふえん)市にある東極魚市では、夜が明けて曙光が差し込む頃にはすでに人々の活気ある声に満ちている。国内で最も早く太陽を迎えることから「華夏東極」と呼ばれる同市では今、魚を利用した豊かになるための新たな取り組みが行われている。

 同市は黒竜江(アムール川)と烏蘇里江(ウスリー川)の二大水系の合流点に位置し、汚染されていない水環境が、水温が低い環境を好む冷水魚の生息や繁殖に良好な条件を提供する。地元では21科105種の魚が豊富に獲れ、「中国淡水魚の都」として知られている。

 黒竜江省撫遠市で撮影したダウリアチョウザメの火鍋料理。(6月9日撮影、撫遠=新華社記者/戴錦鎔)

 撫遠観光発展サービスセンターの宋善明(そう・ぜんめい)主任は「東極魚市には現在60余りの業者が集まっている」と紹介し、毎日各種の魚およそ60トンが全国各地へ出荷されていると述べた。

 市街地には魚料理店がずらりと軒を連ねる。魚のしゃぶしゃぶを提供する「鰉尚皇涮魚鍋」の店主、劉世銘(りゅう・せいめい)さんは「シンガポールやマレーシアなどの観光客がダウリアチョウザメの火鍋を食べにはるばるやって来る。コールドチェーン輸送でおいしさを全国各地に届けることもできる」と語った。

 1日、黒竜江省撫遠市烏蘇鎮の莫日根広場で、魚の皮を使ったホーチョ(赫哲)族の手工芸品を選ぶ観光客。(撫遠=新華社記者/張濤)

 同市の2024年の漁業総生産量は8078トンに上り、生産額は1億9千万元(1元=約20円)を超えた。魚は地元市民の胃袋を満たすだけでなく、市の文化をより豊かなものにした。市内では現在、千人以上の職人が魚の皮を使った製品作りに従事し、年間100万元を超える収入を生み出しており、魚文化が地元の文化観光産業の新たな成長分野となった。

 同市は漁業資源を生かしつつエコ養殖や高度加工、文化観光の融合を推進することで、新鮮な魚を原動力とした産業振興という大海原を切り開いている。(記者/戴錦鎔)

 黒竜江省撫遠市の東極魚市。(2024年10月11日撮影、撫遠=新華社記者/王建威)

 黒竜江省撫遠市で販売されている魚の燻製などの製品。(6月30日撮影、撫遠=新華社記者/戴錦鎔)

 黒竜江省撫遠市の東極魚市で買い物をする人々。(2024年10月11日撮影、撫遠=新華社記者/王建威)

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