ボアオ・アジアフォーラム2025年年次総会サブフォーラムで発言するベン・シンプフェンドルファー氏。(海口=新華社記者/謝子芸)
【新華社天津7月2日】米コンサルティング会社オリバー・ワイマンのパートナー、ベン・シンプフェンドルファー氏はこのほど、新華社の書面インタビューに応じ、「中国は世界の工場であり、世界のイノベーションセンターでもある」との見解を示した。多国籍企業にとって中国事業の立ち上げと展開は「可能な選択肢」ではなく「必須の選択肢」であると語った。
同氏は、さまざまな不確実性が経済発展の見通しに影を落とす中で、多国籍企業が「引き続き中国を信用する」理由は3点あるとした。
第1に、人口と消費量からみて、中国は世界有数の消費市場である。中国の巨大な消費市場は多国籍企業に大きなビジネスチャンスと成長のポテンシャルを提供している。
第2に、中国の産業チェーンは規模が大きく、生産性も高く、グローバルなサプライチェーン(供給網)の重要な一部となっている。多くの受託加工企業が多国籍企業を高い生産力と効率的な生産で支えている。中国企業は消費財生産をアジア諸国へと拡大しつつあり、これは中国とアジア諸国の産業連携を強化するだけでなく、地域のサプライチェーンの安定性と強靭(きょうじん)性も高めている。
第3に、中国はイノベーションと先進技術に対する継続的な投資と、巨大な消費者層により、新製品、新技術、製造工程のインキュベーター、そして理想的な実証地となった。さらに、成功経験を世界市場に輸出している。多国籍企業はこれらの優位性を活用し、中国市場で新製品を検証することで、国際事業の成長を促進できる。
同氏は、外資による対中投資が今後、先進製造や人工知能(AI)、バイオ製薬、精密医療、クリーンエネルギーなどの分野に集中すると見込む。外資企業は中国の巨大な市場で広い発展余地を探し出し、中国の技術イノベーションと消費の高度化を頼りに、事業の拡大と高度化を実現するとした。