古琴の指使いを練習するシンタ・デビ・スリヤニ・タン・シエンさん。(5月27日撮影、太原=新華社記者/解園)
【新華社太原6月30日】中国山西省太原市にある琴クラブでは現在、インドネシア人留学生のシンタ・デビ・スリヤニ・タン・シエンさんが中国の伝統楽器、古琴の練習に励んでいる。
シンタさんは「古琴の音色は重々しく抑揚があり、まるで古代の老人が物語を語ってくれているようで、心を落ち着かせてくれる楽器だ」と、その魅力を語る。
古琴は世界最古の発言撥弦(はつげん)楽器の一つで、約4千年の歴史を持つ。音域が広く、音色に深みがあり、余韻が長く続く。
琴クラブの責任者、張浩(ちょう・こう)さんによると、古琴は中国で古くから文人や風流を好む人たちに愛され、文化継承と人心教化(教養教育)の重要な担い手となって、中国音楽史で揺るぎない重要な地位を築いてきた。
中国古琴は2003年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「人類の口承および無形文化遺産に関する傑作の宣言」リストに選ばれた。中国ではこのところ、伝統文化の復興が進むのに伴って古琴を学ぶ人が増えており、張さんのクラブでは7~60歳以上までさまざまな年齢層の人が毎日のように習いに来るという。
また、孔子学院や芸術楽団を通じてより多くの国々に紹介されたことで、海外でも人気が高まりつつある。
先生から古琴の歴史や文化について説明を聞くシシンタ・デビ・スリヤニ・タン・シエンさん(右)。(5月27日撮影、太原=新華社記者/解園)
なお、古琴は中国伝統文化の象徴として1400年以上前に日本に伝来して以来、貴族や文人に愛されてきた。
日本の東京大学の伊藤国際学術研究センターで3月9日、音楽劇「吟楽琴・南風『宇津保物語』に描かれる古琴」が上演され、日本や中国、マレーシアなどから演奏者や研究者が来場した。
イベントを主催した一般社団法人日本古琴振興会は2014年に設立され、古琴文化の普及に力を入れ、現在までに100人余りの学習者を育成した。日本ではここ数年、中国の古装ドラマが人気を集め、古琴に興味を持つ日本人も増えている。同振興会は2年に1度、音楽会を開催し、演奏者に才能を披露する場を提供するとともに、東アジアの文化交流促進の重要な懸け橋にもなっている。(記者/解園)