遺物でたどる東北抗日戦争の時代 中国吉林省

遺物でたどる東北抗日戦争の時代 中国吉林省

新華社 | 2025-06-30 09:21:00

 23日、吉林市革命烈士紀念館に展示された革命の烈士、魏拯民(ぎ・じょうみん)が着用していたラシャのコート、使用していた水筒などの品。(長春=新華社配信)

 【新華社長春6月30日】中国吉林省では中国人民抗日戦争勝利記念日(9月3日)が近づくにつれ、多くの市民が博物館や記念館を訪れ、一つ一つの遺物を通じて、先人たちがかつて、長白山がそびえ松花江が流れる大地で繰り広げた戦いについて理解を深めている。

 吉林市革命烈士紀念館では、解説員の李林霖(り・りんりん)さんが「このコートは、魏拯民(ぎ・じょうみん)烈士がハルビンで地下活動を行っていた際に着ていたものです……」と説明し、周囲を囲んだ来館者が耳を傾けていた。

 1932年4月、魏氏は中国共産党からハルビン市道外区委員会書記として派遣され、その後市委員会書記に任じられ、東北抗日戦争の最前線で奮戦し続けた。当時の活動環境は非常に過酷で、魏氏や他の戦士たちは食料が不足する中、木の皮や松の実を食べて日々をしのいだ。しかし、長期にわたる過労のため胃病と心臓病を悪化させ、41年1月20日、病に苦しみながら32歳の若さで戦友たちのもとを去った。

 23日、吉林省博物院(東北抗日聯軍紀念館)に展示された東北人民革命軍第1軍独立師少年営の軍刀。(長春=新華社記者/張博宇)

 李さんは「このコートはひどく傷んでおり、ボタンを付け直すことさえできないが、当時の苦難が刻み込まれている。魏氏の精神も、後世の人々を激励し続けている」と話した。

 長春市にある吉林省博物院(東北抗日聯軍紀念館)にも多くの人が見学に訪れている。国家1級博物館の同館には、東北抗日戦争期の貴重な遺物や史料が数多く収蔵されている。それらはかつての歳月を今に伝え、英雄たちの物語を語り継ぎ、人々に歴史を忘れぬよう強く訴えかけている。(記者/孟含琪、孫鵬程)

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