中国農村観光の新トレンド、多様な体験を提供 黒竜江省

中国農村観光の新トレンド、多様な体験を提供 黒竜江省

新華社 | 2025-06-26 09:20:30

 黒竜江省大慶市南崗村にある嘎日迪風景区を散策する観光客。(大慶=新華社配信)

 【新華社ハルビン6月26日】中国黒竜江省大慶市ドルボド・モンゴル族自治県連環湖鎮南崗村にある嘎日迪風景区では夏の暑さが本格化する中、絵のような風景が広がり、多くの観光客でにぎわっている。しかし10年前、ここではインフラ整備の遅れや管理能力不足などの問題が発展の足かせとなっていた。

 2017年、南崗村に派遣された黒竜江省文化・観光庁の駐村(村に常駐する)工作隊は、山や川に恵まれた同村の美しい風景と独特のモンゴル族文化が農村観光の発展に適していることに気付き、優れた生態資源を活用して嘎日迪風景区を整備した。供用を開始して7年、今では国家4A級(5段階の上から2番目)の風景区に指定され、年間最大延べ10万人が訪れるまでになり、観光収入は2千万元(1元=約20円)に上っている。

 同省文化・観光庁の第3期南崗村駐村第一書記を務める李秀梅(り・しゅうばい)氏は、農家料理レストランなど従来型で単一の農村観光形態では、もはや現在の消費者のニーズを満たないと指摘。質の高い飲食や宿泊、ユニークな文化体験、そして多様な観光の形態を用意しなければ、より多くの都市や農村の住民を引き付けることはできないと考えている。

 黒竜江省海倫市仁東村のオーナー制サクランボ園。(大慶=新華社配信)

 李氏は「今年の夏、風景区では乗馬、サンドバギー、観光写真撮影などの新しいアクティビティーを加え、航空キャンプカーニバルや週末の森林コンサートといった特色あるイベントも開催する」と紹介した。

 現在、中国の農村観光は「同様の観光」から「多様な体験」への大きな転換期を迎えている。

 農村観光の素朴さと体験性はますますこの時代の人々に好まれるようになっており、すでに全国に1597の農村観光重点村・鎮があり、6万を超える行政村が農村観光事業を運営している。

 同省海倫市仁東村は、「オーナー制度」で農村観光の突破口を切り開いた。村の現代産業パークには、果樹の「オーナー登録」や収穫体験に訪れる観光客が絶えない。

 今年、同村では高品質のサクランボの木350本を導入し、グリーン(環境配慮型)栽培・オフシーズン販売を実施するとともに、オーナー制度のサービスを打ち出した。木の世話をして生育状況を定期的にオーナーに送信する専任スタッフを置き、その木の「オーナー」となった人は、植え付けから収穫までの全プロセスを体験することができる。

 嘎日迪風景区が完成して大きな変貌を遂げた黒竜江省大慶市南崗村。(大慶=新華社配信)

 同村はここ数年、40~50平方メートルの「ミニ菜園オーナー制度」を実施し、都市住民のグリーンで健康的な生活ニーズに的確に応え、「耕し、眺め、食べて楽しむ」複合型の田園体験の場を作り上げてきた。同村の共産党支部書記、曲偉君(きょく・いくん)氏によると、村のオーナー菜園は「自己耕作方式」と「委託管理方式」の2種類に分かれている。自己耕作タイプの菜園では、オーナー自身が栽培に参加し、園区側が農具や技術指導を提供する。委託管理の場合、園区が全面的に栽培を代行し、オーナーは苦労なく新鮮な野菜を収穫することができる。

 かつて伝統的な農村だったこの村は、「オーナー制度」を重要な鍵として、伝統的な農業から「収穫、観光、教育」を一体化した総合型のビジネスへと進化させている。

 中国文化・観光部の最新データによると、25年第1四半期(1~3月)の全国農村観光利用者数は前年同期比8・9%増の延べ7億700万人に達し、全国の農村観光総収入は5・6%増の4120億元となった。人々の田園生活への憧れを受け、農村観光市場は急成長している。(記者/管建濤、沈易瑾)

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