中国・アフリカの経済・貿易協力、新たな章つづる

中国・アフリカの経済・貿易協力、新たな章つづる

新華社 | 2025-06-21 08:57:17

 山東省青島市にある冷凍倉庫でルワンダから輸入されたトウガラシをチェックする税関スタッフ。(6月11日撮影、青島=新華社記者/李紫恒)

 【新華社長沙/ナイロビ6月21日】中国がアフリカからの輸入品に対する関税を撤廃したことや、「生産・加工・貿易の一体化」という革新的な協力モデルにより、アフリカとの貿易はますます拡大し、新たな章をつづっている。2024年の貿易額は2956億ドル(1ドル=約145円)と4年連続で最高記録を更新し、中国は16年続けてアフリカ最大の貿易パートナーとしての地位を維持した。

 中国は近年、アフリカ諸国に対する市場開放を拡大し、良質な製品の対中輸出を促しており、アフリカ諸国に大きなチャンスを提供している。24年12月1日には、アフリカ33カ国を含む外交関係にある後開発途上国に対し、関税を撤廃した。中国は世界の発展途上国と主要国で初めて、同措置を講じた国となった。最近は「共同発展経済パートナーシップ協定」を締結し、外交関係にあるアフリカ53カ国の製品に対する関税を撤廃するとともに、アフリカの後開発途上国による対中輸出にも多くの便宜を供与すると発表した。そのほか、中国国際輸入博覧会や中国国際サプライチェーン(供給網)促進博覧会などの大型博覧会に参加するアフリカ企業を優遇し、アフリカの特産品と世界をつなぐ懸け橋を担う方針も示した。

 ルワンダ東部州ニャガタレ郡でトウガラシの選別を行う作業員。(5月22日撮影、ニャガタレ=新華社記者/吉莉)

 中国商務部によると、関税の撤廃から今年3月にかけて、中国によるアフリカの後開発途上国からの輸入額は前年同期比15・2%増の214億2千万ドルに達した。今年1~3月のアフリカからのコーヒー輸入は70・4%、カカオ豆は56・8%それぞれ増加した。

 中国はアフリカ現地のバリューチェーン構築を支援している。「2024年中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット」(24年9月開催)から今年3月末にかけて、中国企業による対アフリカ新規投資額は133億8千万元(1元=約20円)に上った。アフリカの中小企業の発展も支援しており、19業種の約350社に20億8千万元の融資を提供し、約4500人の雇用を創出した。

 第5回中国国際輸入博覧会の食品・農産物エリアに出展されたケニヤ産のアボカド。(2022年11月7日撮影、上海=新華社記者/劉穎)

 湖南省中国・アフリカ経済貿易協力促進研究会などの機関がこのほど発表した「中国・アフリカ経済貿易協力白書:中国・アフリカ経済貿易協力発展報告書(2025)」は、中国とアフリカの貿易協力の枠組みに、大きな変化が生じつつあると指摘。農業や食品産業は単一的な原材料の貿易から付加価値の高い加工品の貿易に、製造業は完成品の輸出から現地生産に、貿易形態はデジタル経済や技術サービスなどの新興産業の台頭を受けて、単一的な貿易から越境電子商取引(EC)に、それぞれ転換したと明らかにした。

 「生産・加工・貿易一体化」という産業チェーンの協力モデルは、アフリカ諸国で高い人気となっている。タンザニアのダルエスサラーム大学中国研究センターのハンフリー・モシ所長は「アフリカの発展の重点が、原材料の輸出から付加価値の高い生産へと移行している」と紹介。中国とアフリカ間の経済・貿易関係も既存の貿易から、より深いレベルでの産業協力へと転換し、付加価値の共同創出を実現しつつあると述べた。(記者/尚栩、張玉潔、許嘉桐)

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