2025RCEP地方政府・友好都市協力(黄山)フォーラムの開幕式。(6月5日撮影、黄山=新華社記者/周牧)
【新華社合肥6月20日】中国安徽省黄山市でこのほど、地域的な包括的経済連携(RCEP)による新たな経済・貿易協力の機会について話し合う「2025RCEP地方政府・友好都市協力(黄山)フォーラム」が開かれた。出席者らは、新エネルギー車(NEV)と先進的な太陽光発電産業における生産・サプライチェーン(供給網)協力の促進などについて対話を行い、RCEP枠組みの下で加盟国が共に課題に立ち向かい、グリーン(環境配慮型)発展を追求していく決意を明らかにした。
加盟国間の新エネ車産業協力はここ数年、目覚ましい成果を上げている。電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)は4月末、カンボジア乗用車工場の定礎式を開催した。新エネ車の生産に焦点を当てた同工場の年間生産能力は1万台になる見通しで、10~12月に操業を開始する予定という。中国自動車大手、上汽通用五菱汽車(上海汽車集団、米ゼネラル・モーターズ<GM>、広西汽車集団の合弁会社)の世界300万台目の新エネ車は5月、インドネシア工場でラインオフした。中国自動車大手、浙江吉利控股集団の電動SUV(スポーツタイプ多目的車)「EX5」はインドネシア工場での試験生産が成功し、第3四半期(7~9月)に量産を始める計画という。
出席した各国の代表によると、RCEP加盟国の新エネ産業協力は当初の完成車の海外進出から、現地化を深める段階に移りつつある。上汽通用五菱のインドネシア工場は「完成車と部品」のモデルでサプライチェーンパートナーをインドネシアに誘致するとともに、現地の自動車産業チェーンを高度化させている。一部の中国電池メーカーも次々とRCEP加盟国に進出し、タイやベトナムなどに工場を建設し、一部の企業はすでに、海外での現地生産を始めた。
RCEP加盟国はここ数年、低炭素化や二酸化炭素(CO2)排出削減に関する目標を相次いで発表している。タイ中国文化経済協会のボーキン・バラクラ会長は、RCEPの潜在力を最大限に引き出すには、エネルギー転換の推進、技術の自立性の確保、発展成果の共有を目指し、地域経済の深い融合を推し進める必要があるとの見解を示した。
加盟国では、クリーン交通や再生可能エネルギーなどの分野における協力が加速している。フィリピンEV連盟(EVAP)のエドムンド・アベンガナ・アラガ会長は、中国の新エネ車産業が研究やバッテリー開発、インフラ、産業規模などで先行していると指摘。「東南アジア諸国連合(ASEAN)は活力に満ち溢れ、モビリティーソリューションに対する需要がますます高まり、環境意識も向上している」とし、RCEP協定の実施が強化されるにつれて、各国は手を携えて前進し、アジアひいては世界の移動手段の未来を推進する力があると指摘した。
RCEP協定は世界で参加人口が最も多く、経済・貿易規模が最も大きく、発展の潜在力を最も備える自由貿易協定であり、世界経済により多くの確定性をもたらしている。これはRCEP加盟国関係者の共通認識である。バラクラ会長は「新エネ車と太陽光発電産業はRCEP地域の新たな協力の重要な分野であり、気候の安全と包括的な経済を密接に結び付ける新たな形を示している」と語った。