スパナで描く水墨画 中国重慶の整備士の「機械油アート」

スパナで描く水墨画 中国重慶の整備士の「機械油アート」

新華社 | 2025-06-19 17:44:00

 談暁虎さんが機械油と工具で描いた作品。(2月26日撮影、重慶=新華社配信)

 【新華社重慶6月19日】機械油にまみれた修理工場で、作業の合間に工具を使って描かれた絵が、中国のSNSで注目を集めている。重慶市忠県でバイク整備士として働く談暁虎(だん・ぎょうこ)さん(1997年生まれ)は、筆の代わりにスパナやドライバー、インクの代わりに機械油を使い、水墨画のような独自の表現手法を編み出した。

 小さい頃から絵が好きだったという談さん。美術大学への進学はかなわず、大学卒業後は父と同じ整備の道に進み、バイク整備士となった。それでも芸術への情熱は失わず、作業後に工具で絵を描くようになったという。白い発泡スチロール板をキャンパスに、黒い機械油にひたしたスパナで描き、細かい濃淡や質感も表現する。「生きることはバイクと同じ。部品をきちんと整備するように、心も磨いていきたい」と語る。

 機械油と工具で作品を制作する談暁虎さん。(5月15日撮影、重慶=新華社配信)

 最近話題の中国アニメ映画「ナタ2」をモチーフに描いた作品がSNSで評判となった。「機械油で描いた作品が注目されたことで、どんなに普通の職業からも芸術は芽吹くと確信した」と談さんは手応えを感じている。(記者/沙青)

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