インドネシア・ジャカルタにある蜜雪氷城の店舗。(2024年11月29日撮影、ジャカルタ=新華社記者/徐欽)
【新華社北京6月12日】中国の伝統的な茶産業はイノベーションにより、質の高い発展の新たな道筋を見出した。2012年には新式ティードリンクが発展の初期段階に入り、わずか十数年間で急速に発展した。
新式ティードリンクは良質な茶葉、新鮮な牛乳や果物などの食材を組み合わせて作られる中国式クラフトドリンクを指す。浙江省の浙江大学や省農業農村庁などが共同で発表した「2022年中国新式ティードリンク発展報告」によると、22年の市場規模は1200億元(1元=約20円)を超え、全国の店舗数は約50万店に達した。
中国茶葉流通協会が発表した「2024年度中国茶葉生産販売情勢分析報告」では、24年には新式ティードリンク市場の規模が2千億元を突破し、店舗も65万店近くに増加した。
新式ティードリンクの主力消費層は22~40歳で、ティードリンクは消費者に「種草」(オンラインでの情報発信)と「抜草」(実店舗での購入)、自己満足などコト消費(体験消費)の情緒的価値を提供している。
証券会社、華泰証券のアナリストは、若年層は社交の場が多く、体験の需要も高いと分析。エモ消費(感情消費)がクラフトティードリンクの消費シーンをさらに広げ、業界の需要拡大に貢献する可能性があるとの見方を示した。
特に、若年層の中で「無糖」「低脂肪乳」「低糖」などより健康的な飲料の人気が高まり、無糖ティードリンク市場の爆発的な成長をけん引していることが注目点となっている。
市場調査会社の艾媒諮詢(iiメディアリサーチ)によると、中国の無糖飲料業界の市場規模は15年に22億6千万元だったのに対し、22年には199億6千万元に拡大した。
中国の新式ティードリンク業界は猛烈な勢いで発展し、海外市場の開拓も加速している。大手の「蜜雪氷城(MIXUE)」はすでに東南アジアや日本、韓国、オーストラリアなどの市場に進出しており、24年9月30日時点で海外に4800店を展開するほか、「喜茶(HEYTEA)」もシンガポール、米国、タイなどに進出している。「覇王茶姫(CHAGEE)」を運営する茶姫控股(チャジーホールディングス)は4月に米国上場を果たした。24年の海外店舗数は150店を超え、一部の人気の高い商業地域では1日当たり800杯以上の販売量を誇る。