夏の穀物収穫、ハイテクが活躍 中国四川省

夏の穀物収穫、ハイテクが活躍 中国四川省

新華社 | 2025-06-11 14:23:00

四川省中江県永太鎮で小麦を収穫する収穫機。(成都=新華社配信)

 【新華社成都6月11日】秋まき小麦や菜種の収穫時期を迎えた中国西部の四川省では、機械化生産やハイテクが農作業を支えており、豊かに実った農作物の穀物倉庫への搬入に大いに役立っている。

 同省徳陽市中江県永太鎮に広がる小麦畑では、収穫機が行き来して収穫や刈り倒し、トラックへの積み込みなどを行っていた。収穫機は同時に麦わらを裁断して畑にすき込み、次のシーズンの種まきに備えていた。

 従来の手作業に比べ、機械による収穫には大きな利点がある。大規模穀物生産者の周後清(しゅう・こうせい)さんは「今年の作付面積は1350ムー(約90ヘクタール)に上るが、収穫機なら1日で40ムー(約2・7ヘクタール)以上も収穫でき、手作業より数十倍速い。さらに機械が裁断した麦わらを畑にすき込むことで、土壌の構造を改善し、肥沃度を高め、生態系の循環を実現できる」と語った。

四川省中江県永太鎮で小麦を収穫する収穫機。(成都=新華社配信)

 夏の収穫時期になると、省内の農村では長雨による穀物生産への影響がたびたび問題になるため、収穫後の乾燥も非常に重要なプロセスとなる。

 周さんの畑では、収穫された小麦は直ちに県内最大の三潤農業穀物乾燥センターに運ばれる。敷地面積20ムー(約1・3ヘクタール)余りに及ぶスマート乾燥センターでは現在、全自動乾燥ラインが20本稼働しており、技術者がモノのインターネット(IoT)システムから倉庫の稼働データをリアルタイムで監視している。小麦ごとの水分含有率に合わせて乾燥パラメータが自動調整され、1日当たり900トンを処理できる。

 四川省は中国の菜種主産地でもあり、昨年の作付面積は2千万ムー(約133万ヘクタール)を上回った。成都市新津区にある天府農業博覧園では最近、豊作となった菜種畑の収穫が相次いで完了した。

四川省中江県永太鎮で小麦を収穫する収穫機。(成都=新華社配信)

 ここでは衛星測位システム「北斗」を利用したナビゲーションシステムが収穫経路を正確に設定し、無人農機やスマートかんがい、農地水分観測などのスマート機器が活用されている。園内の農作物の機械化率は9割を超え、耕作、播種、管理、収穫の全過程のデジタル化を実現している。

 地元では「畑」から「工場」までを一体化した菜種産業チェーンが形成されている。収穫されたばかりの菜種は、10キロほど離れた生産拠点である市内の油脂メーカー、中粮油脂(成都)に運ばれる。

 同社を傘下に置く中国の国有食品大手、中糧集団(COFCO)西部地区菜種ラインの責任者、呉斌(ご・ひん)さんは「『園内で栽培し、地元で搾油する』方式により、輸送チェーンがさらに短縮された。ロスは3割削減でき、農家は販路に悩む必要もない」と語った。中粮油脂は今年、3万トンの菜種を買い付ける予定だという。(記者/李倩薇、高健鈞)

四川省中江県永太鎮で小麦を収穫する収穫機。(成都=新華社配信)

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