「黄酒小鎮」を訪ねて 中国浙江省紹興市

「黄酒小鎮」を訪ねて 中国浙江省紹興市

新華社 | 2025-06-11 09:43:15

 浙江省紹興市の黄酒小鎮。(紹興=新華社配信)

 【新華社杭州6月11日】中国東部の浙江省紹興市にある1600年以上の歴史を誇る江南の小さな町、東浦鎮は、紹興黄酒の中心的な発祥の地で、黄酒文化をテーマにした小鎮「黄酒小鎮」の所在地でもある。

 水路が縦横に走る黄酒小鎮の川沿いに軒を連ねる多くの黄酒醸造所の中には、創業数百年の老舗も少なくない。

 「湯源元」は昔から地元で有名な醸造所で、先人の技術と精神を伝承するため1980年代生まれの醸造家、王金金(おう・きんきん)さんが2022年に改築した。醸造所には大きさや模様、年代の異なる紹興花彫酒(黄酒の一種。精細な彫刻と鮮やかな着色が施された酒つぼに入っている)が整然と並び、醸造家たちの情熱やプライドを伝える。

 浙江省紹興市の黄酒小鎮。(紹興=新華社配信)

 浸米、蒸煮、仕込み、撹拌(かくはん)、保温発酵など、王さんと師匠の陳宝良(ちん・ほうりょう)さん(67)は、20代前半の若者に手作業による黄酒の製造工程を指導している。

 国家級無形文化遺産「紹興黄酒醸造技術」の省級伝承者である陳さんは、古希を目前に伝承の重要性を切実に感じており「志ある若者が黄酒の伝統的な醸造工程を真剣に、細心の注意を払って実践するよう身をもって導かなければならない」と語った。

 「当醸造所では最も古い醸造工程を見ることができる」と話すのは、同小鎮にある醸造所「瑞元呉記」の現当主で、5代目の醸造家である呉興剛(ご・きょうごう)さん(38)だ。

 5月30日、醸造所「湯源元」で黄酒を醸造する国家級無形文化遺産「紹興黄酒醸造技術」の省級伝承者、陳宝良(ちん・ほうりょう)さん(左)と弟子の王金金(おう・きんきん)さん。(紹興=新華社記者/黄筱)

 東浦鎮南村村に生まれた呉さんは、父親から先祖代々受け継がれてきた酒造りの技術を学ぶうちに「酒は穀物の精」という言葉の深い意味を徐々に理解した。もち米が6カ月かけて育ち、さらに5~6カ月の発酵を経て、少しずつ黄酒の原酒となる。「酒造りがどれほど大変で難しいことなのかは、醸造家だけが知っている」と話した。

 広くない醸造所の中は、醸造道具でほとんど埋め尽くされている。時代は変わり、道具も技術も進歩しているが、醸造所「瑞元呉記」にある道具はどれも昔の姿をとどめている。「今もかまどでまきを使ってもち米を蒸し、醸造家の手で温度の変化を感じ取っている」と呉さんは語った。(記者/商意盈、黄筱、鄭可意)

 浙江省紹興市の黄酒小鎮。(紹興=新華社配信)

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